日本の国際競争力の低さ ーパーソル総合研究所 調査【Woomaxブログ】

パーソル総合研究所がアジア太平洋地域(APAC)14か国・地域の
就業実態・成長意識について調査した結果、
日本の「国際競争力の低さ」が浮き彫りになりました。

調査結果の中から、特に下記について見ていきたいと思います。
・管理職志向、出世意欲が各国と比べてダントツに低い
・職場の人間関係、休みやすさ重視(日本特有)
・ダイバーシティ受容度が低い
・勤務先の満足度が低い、かといって転職意欲も低い

 

まず「管理職志向・出世意欲」についてです。

日本が最下位という点に加え、
そのポイントの低さにも注目したいところです。
1位インドとは雲泥の差、ひとつ上の13位ニュージーランドと比較しても
管理職志向はおよそ半分です。
出世意欲についても、日本だけが顕著に低い結果となっています。

同様に日本独自の傾向が見られるのが、「仕事選びで重視する点」です。


「希望する年収が得られること」は日本を含め多くの国で1位となっていますが、
日本の2位と3位は
「職場の人間関係がよいこと」「休みが取れる/取りやすいこと」となっています。
これは日本だけに見られる特徴であり、裏を返すと
「人間関係がよくないと働きづらい」「休みが取りにくい」ようにも見えます。

そしてダイバーシティ受容度の低さも明らかになりました。


上司が「女性・外国人・年下」であることに抵抗を感じる人が多く、
いずれもほぼ最下位に位置していることは残念でなりません。

最後に、「勤務先に対する満足度」の調査です。

「会社全体」「職場の人間関係」「直属上司」「仕事内容」「プライベート」の全項目において
他国平均と比べて著しく低い結果となりました。

パーソル総合研究所の取締役副社長兼シンクタンク本部長 櫻井功さんも指摘するように、
この結果の理由は「”日本型雇用”の機能不全」であろうと思います。

「男性中心で強い同調圧力、自社でしか通用しない業務プロセスの習得を通じた業務遂行能力の長期育成、
年功的人材運用ー」
こうしたシステムが、管理職に対する魅力の半減、働く意欲の低下、
働きづらさになっていると推測できます。

この調査結果に対するインターネット上での世論を見ると
この結果に納得し、「仕方ない」と諦めさえ感じられる意見が目立ちます。

こうした状況を打開していくためには、
官民や企業同士、組織と組織が一緒になって
日本全体が一体となって変わっていく必要性を感じます。

※グラフはパーソル総合研究所「APACの就業実態・成長意識調査(2019年)」より

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