ダイバーシティはCSRではなく、投資であるというグローバルスタンダード【Woomaxブログ】
第5回国際女性会議WAW!/W20サミットで
W20から安倍首相に手交されたコミュニケ(政策提言)が
昨日、W20運営委員会のFacebookで公開されました。
コミュニケにも記載され、国際会議スペシャルセッションでも
テーマとして取り上げられたのが
「ジェンダー投資」です。
国際協力銀行総裁の前田匡史氏は、
「日本ではジェンダーはCSR(企業の社会的責任)で、
投資と考える意識が薄い」と意見しました。
女性活躍やダイバーシティの推進は、
社会貢献としてではなく
企業の生産力を高めるために重要な要素であることが
指摘されたということです。
米国のモルガン・スタンレーやスイスのUBS銀行などは
「役員構成の男女比が均等な企業は投資効率が良い」との
調査結果を明らかにしています。
特にリーマン・ショックを機に、短期的な利益志向から
企業の持続可能性などが長期性が重視される傾向に変わりました。
まずは男女平等に関する情報開示から
“男女の平等性”や”多様性”は、
長期的な成長を見込める重要な要素の一つなのです。
このジェンダーを基準とした「ジェンダー投資」が
欧米では広がってきています。
ところが欧州のEquileap(エクイリープ)社が、
ジェンダーを指標にした企業ランキングを世界規模で行ったところ、
日本企業は上位200社に1社もランクインしませんでした。
笹川平和財団ジェンダーイノベーション事業グループ長の小木曽麻里氏は
「日本企業のジェンダー平等度の低さが
投資を呼び込む上でリスクとなりうる」点を危惧しています。
国内では、内閣府男女共同参画局が
機関投資家を対象にアンケート調査を実施したところ、
7割が「企業の業績に長期的に影響する」と考え、
女性活躍情報を活用していることがわかりました。
しかし、「男女の賃金格差などのデータが公開されていない」
「女性活躍を企業の成長にどう生かすかの視点が見えづらい」など
国内企業の開示情報の少なさが課題となっていることもわかりました。
一方、すでに情報開示をしていている企業は、
女性活躍指数で評価され、投資の呼び込みに成功した例もあります。
日本では、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が
「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」を初めて投資に採用しており、
現在、214銘柄を選定しています。
日本電産㈱は、女性活躍推進の取り組み状況などを情報公開し、
GPIFから73億円の投資を得ました。
担当者は、「女性活躍が投資を呼び込めると思わなかった」と話しているそうです。
日本でも広がるジェンダー投資
笹川平和財団は、エクイリープ社に依頼し、
日本、香港、シンガポールの企業で
ジェンダー平等に関するランキング100社を発表しました。
日本企業では6位に資生堂が、
全体では24社がランクインしました。
また、第一生命保険や野村アセットマネジメントが
女性活躍指数を用いたファンドを運用し始めています。
日本でもこうした流れが着実に広がってきそうですね。
※参考:読売新聞、アジア女性インパクトファンドHP
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