自社独自のダイバーシティ課題と解決策を見出す味の素㈱の施策【Woomaxブログ】
終業定時を16時半にするなど、
画期的なダイバーシティ推進や働き方改革を実践している味の素㈱。
“誰もが働きやすい会社”を目指して施策を進める中で、
同社に起きている興味深い変化を2点、抜粋します。
一つ目は、アンコンシャスバイアス研修を内製化するにあたり
社内の男性社員が多く講師を務める見込みだということ。
同社はこれまで外部講師によるアンコンシャスバイアス研修を受講してきて、
男女差だけでなく、
部門間や役職・職務間、プロパーか中途入社組か、
国籍や年齢など、様々な観点から偏見が存在すること、
そして同質性の高い集団では
組織の発展を阻んでいたかもしれないといった
会社のリアルな現状に気付いたそうです。
そしてアンコンシャスバイアス研修を、より社内の事情を濃く反映し、
現場のグループ単位でも受講できるよう
内製化を進めています。
講師に男性社員が多いのは、ダイバーシティや女性活躍が
女性社員のためだけではなく、「全社員」のためであり
経営戦略であることを強調し、
男性が旗を振ることで他の男性社員にも意識付けを行っていく狙いがあります。
二つ目は、冒頭にも挙げた16時半退社。
これもきっかけは、時短社員が後ろめたさを感じて帰らなくて良いよう
全社で8時15分出社で16時半退社と改革したわけですが、
男性社員が「育休を取得しなくても帰宅後に十分に家事育児に参加できる」
と言うようになったそうです。
在宅勤務も週4日まで可能なため、社員のパートナーも
「育休を取得しなくても、何かあったときに家にいてくれるからいい」と
助かっているとのこと。
「男性社員の育休取得率」は、
その会社のダイバーシティ施策の推進度合いを測るためにはわかりやすい指数ですが、
本当に叶えられるべきはどのような状況なのか?と考えると
必ずしもその方法は「男性社員の育休取得」ではなく、
こうした打開策もあるのですね。
一方で同社の男性社員の育休取得率は20%で、増加傾向にあるそうです。
もちろん、退社が早く残業しない風土が整っているから
育休制度が不要、ということではありません。
どちらも利用できる環境であることが大事なのだと思います。
全社で本気でダイバーシティ推進に取り組むと、
会社独自の課題や解決方法が明白になり、
それによって真の経営戦略としてのダイバーシティが
進められるのだと感じました。
会社それぞれの解が重要なのだと改めて思います。
※画像はNIKKEI STYLEより転載
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