キリングループが「なりキリン」を進めた秘訣【Woomaxブログ】

キリングループでは、社員が「1ヶ月間、仕事と育児を両立するパパママ」に”なりきる”
体験研修「なりキリン」などが展開されています。
「なりキリン」は部のチーム単位で取り組みます。
チームの1人は1ヶ月間、”子どもがいる”設定となり、
架空の保育園から緊急の呼び出しなどが起こります。
実際に早退するなどしなければならず、
チームのほかのメンバーがサポートに回ります。

ユニークで効果も高そうな施策ですが、
そんな施策を進められる企業とはどのような職場なのでしょうか…?
さぞかし柔軟で、多くの社員がお互いの働き方に理解がある
環境なのか?と思いきや、こちらのインタビューに答えていらっしゃる
キリンホールディングス㈱の取締役常務執行役員の三好敏也さんは、
“こうした施策を展開するまでに一筋縄ではいかなかったし、
反対派は現在もいる”という旨をお話されています。

では、どのように進めてきたのでしょうか?
3つポイントを見てみたいと思います。

そもそもトライアルの段階で、リーダーの一人が大反対したとのこと。
その方は、得意先への対応に支障が出ることなどを強く懸念したそうです。

しかし実際にトライアルを始めると、
チームの協力意識・体制が強化され、残業が減り、
それでもパフォーマンスは下がらない結果が出ました。
これを見てそのリーダーは、「全社でやるべきだ」と賛成派に変わったそうです。

「なりキリン」になる社員たちも”実際に体験”することが
重要なポイントとなっていますが、
こうした周囲の社員(経営層・管理職や、同じチーム・部署など)も
“一度、体験してみる”ことは大きなきっかけとなりますね。

2つ目は、社内の小さいグループから始めて、
“手挙げ式”で少しずつ広げたという点です。
「なりキリン」はロールプレイではなく本当に帰宅したりして休まなければならないため
実施には戸惑った社員、チームも多かったようです。

最初は20、30人が取り組んでみて、
その後は基本的に部門長の”手挙げ式”で社内全体に進めていったとのこと。
取り組んだチームが部門が増えるごとに
実施していない部門に対して「まだやっていないの?」という空気が流れ
徐々に広がってきたようです。
三好さんは「トップリーダーが、意義を理解して、
『これは大切だ』とコミットしてやれるかどうかだと思っています。」
と語ります。

主体性とある種の強制力が見事に機能しているのですね。

3つ目は、三好さんのようなトップ層の方がいることです。

同社では、女性に先にキャリアを積ませる「前倒しのキャリア」などもあり、
三好さんは”これまで女性にチャンスが与えられてこなかった分、
なんらかのサポートを女性にしないとバランスが取れない”と言います。

インタビューを読むと、三好さん自身が
これらの施策を進めることが本当に必要だと思っていて
実施を後押しされてきたことが、よくわかります。
三好さんがそう考えるのは、三好さんのお姉さんとの関係が原体験となっているようです。

影響力の強い意思決定層に
理解の深い方がいるのはとても大きな鍵ですね。

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