「女性は管理職に向いていない」?男性の深層心理と時代背景【Woomaxブログ】

「男性学」の第一人者である田中俊之先生(大正大学心理社会学部人間科学科准教授)が
「女性は管理職に向いていない」という偏見を持つ
男性の時代背景と深層心理を次のように解説しています。

時代背景

現在、50~60代くらいの男性にとっては、
働いてきた30~40年間、実際に周囲の女性たちは
多くが結婚・妊娠・出産を機に退社していきました。
自分の妻も会社を辞めて家庭に入った
ケースが多いかもしれません。

それらの女性をマジョリティとして見てきた側からすると
ずっと働いている女性たちが異色に見えます。

今は結婚や出産を経ても働く女性が増えているとはいえ、
何十年間に渡って”当たり前”のように見てきた
「女性は結婚や出産で仕事を辞める」という女性観は
なかなか変わるものではないようです。

時代は変わってきているとわかっていても、
どこか今の働く女性たちのことも、
そうした固定観念を前提に捉えている可能性があります。
すると働き続ける女性たちが
どのように働いていきたいのか、など
その女性たちが持つ意識やキャリア観を想像するのは
まして難しくなります。

深層心理

田中先生は、男女平等が浸透している北欧の男性たちと話し、
「彼らは仕事よりも自分たちの生活を大切にしている」と
その印象を語っています。

日本ではまだ「男性の価値は、ビジネス社会の競争に勝ち、出世していくこと」という
固定観念が拭いきれていません。
それは男性にも女性にも、そのような価値観を持っている人がいると思います。

男性はそうした「達成に対するプレッシャー」の中で育っているといいます。

過日、医大の入試で不正に得点が調整され、
男子受験生を優遇して合格させていた問題が発覚しました。
田中先生は、「不正に対する倫理観よりも、
男性優位の状況をむしろラッキーと思った男子も少なからずいたはず」と指摘します。

企業においても、例えば管理職候補として
ほぼ同じ評価を得ている男女が一人ずついた場合、
業務とは関係のない、男女に対する固定観念を理由に
候補者が選ばれるといったケースが、かつては聞かれました。

どのように対策するか

さて、こうした固定観念を払拭するには、やはり研修は効果的な方法の一つです。
かつてと昨今にどのような違いがあるを知ることも大切ですが、
「多様性を受容する」、自らの固定観念に気付き、視点を変えてみる「柔軟性」を
身に着けていただく、体感していただくことも重要と考えます。

というのは、どのような違いがあるかを事例だけで頭に入れても
限られたケースにしか対応できない可能性があります。
多様化している社会では、
形式的な対応だけではなく、さまざまなケースへの対応が求められます。

これまで直面したことのない課題や、新しい価値観に触れたとき
はなから「間違っている!」と判断するのではなく、
「こうした考えもあるのか。」とまず受け止め、
自分がそれまで持っていた考えと平等に比べ、あるいは第三の意見も想定して
判断を下す必要があります。

日々、習慣づけていただくことはもちろんなのですが、
それがどういうことなのか、研修の場で体験していただくとわかりやすいと思います。

田中先生は「男性にこそ研修を行う必要がある」と仰っています。
まさに弊社では、男性管理職向け研修や、女性管理職候補者の上司向け研修の
実績が例年増え続けています。
女性向け研修とあわせて検討いただくことをオススメします。

参考:https://president.jp/articles/-/28173

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