ワールド・カフェで会議を楽しく!
カフェって居心地が良くて、本を読んだりおしゃべりしたり、何時間でもできてしまう空間です。カフェのような環境で会議をしたら、楽しいだろうなぁと思いませんか? ワールド・カフェは、カフェのようなリラックスしたムードの中で話し合いを進める会議の一種です。
これまでの会議は、その場で最大の成果を生むことが重要でした。事前準備をしっかりとした上で、メンバーがゴールを意識して、できるだけ短時間で終わることができれば「成功」です。この方法も良いのですが、一定の枠ができて、予定調和に終わってしまうことも多いものです。
これまでの会議と逆のやり方をするのが、ワールド・カフェです。事前準備はほとんどせず、メンバーが自由に入れ替わり、成果を意識せずに行います。ワールド・カフェでは、自由な意見やアイデアが飛び出し、メンバーとの相互交流が進んで一体感が生まれ、チームのベクトルをひとつにすることができるのです。
価値観は真ん中から立ち上がってくる
先日行ったワールド・カフェでは、「元気な会社のつくり方」をテーマに、「元気な会社ってどんな会社?」、「楽しく仕事をするって?」など、わいわいがやがやと話し合いました。
すると、全体から生まれてきたのは、「仕事って給料や待遇じゃない。人との信頼関係や一体感、愛なんだよね」ということでした。前回のフロー体験でもご紹介した、給料ばかりが報酬ではないということにもつながっていたのです。
チームのベクトルが内側からわきあがってくるような、価値観が真ん中から立ち上がってくるような印象でした。
会議を楽しむ
ワールド・カフェを行うのであれば、徹底的に楽しんでやるのがおすすめです。「カフェ・オーナー」など数名のファシリテーターを立てますが、ドレスコードはメイドや執事、ギャルソンのファッションです。テーブルにはテーブルクロス、花を置いてカフェを演出。美味しいコーヒーや紅茶も用意しましょう。会議室に入ったときから、いつもとは違うワクワク感が生まれるはず。
いくつかのテーブルに、それぞれ異なるテーマを設け、数名のメンバーが会話を進めます。でてきた意見やアイデアは、色とりどりのカラーペンを使って大きなポストイットに書き込みます。20~30分ほど経ったところで、ひとりのカフェ・オーナーを残して、メンバーが自由に入れ替わります。テーブルごとのテーマで、前の意見やアイデアをさらに発展させていく。この作業を3回ほど繰り返すと、全体から立ち上がってくるものが見えてきます。
現代の「のりしろ」
20年くらい前の職場には、「遊び」「ゆとり」、「のりしろ」があったように思います。新聞を読んでいたり、お茶を飲みながら一服していたり。休憩時間にはバレーボールやキャッチボール、将棋をしていたり、どこに出かけたかわからない上司もいたりして、みんなで「喫茶店(カフェはまだない頃)だよ、きっと」なんて言いつつ、その上司を信頼していたものです。しばしば仕事帰りには居酒屋で上下関係なく話をし、社員旅行や運動会、ボーリング大会といった行事もたくさんありました。
これら一見無駄なように思えることは、意外に人間関係の基礎だったと思えるのです。無駄を省きすぎてしまった結果、ギスギスしてしまったのではないかと。以前の「のりしろ」に変わる、新しい「のりしろ」が必要だと思います。現代の「のりしろ」、そのひとつがワールド・カフェです。