老害の人 老益の人

4月の高年齢者雇用安定法改正で、定年延長・継続雇用制度の制定などが話題になりました。

企業がシニアをどう活用するか?という軸も語られますが
私は個人的に、女性活用の「活用」を聞くときよりも
シニアの方々に「活用」という言葉を用いるには少々違和感があります。

しかし、それは、私の中に「年長者は優れた人ばかり(のはず)」という思い込みがあったからで
仕事で「老害」に悩む人は「活用」を真剣に深淵に考えていかねばならない時代。
私もこの思い込みが外れるケースを実際に見聞きして、少々考えを改めました。

シニアの中にも徳の高い人ばかりではなく、当たり前に多様性があるのですよね。
そして、10年前に出会ったこちらの書籍を思い出しました。

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「老害」という字は一発変換できますが
「老益」は最初に「老」と「益」を分けないと変換できない。
これは何を意味しているのか・・・。

10年前はまだ私も「初老」前(笑)でしたので、あまり深く読んでなかったのを実感。
再び、目を通すと全然入ってくるメッセージが違うことを痛感。

高瀬広居さんは、その昔レディス4に出演されていた僧侶の資格を持つキャスター
ゆえに、この本も仏教の視点から「老いるということ」を見つめる事ができます。

たとえば、仏教には「定散」という言葉があります。

老人はじっとしているので「定」
若者は駆け回るので「散」
定の人は、絶えず心を澄ませて、事の本質と道理を睨む

若さに固執し、老人で「散」を実践する方々も多くなってきた。
平均寿命・平均余命が伸びたこのご時世だからとて、
成熟した人になる年齢を伸ばしても良い言い訳にはならない。

美しい老人は、第一にわがままではない。

一徹であっても、我欲心で行動しない。
第二に負ける心をもっている。

柔よく剛を制すというように、柔和な芯の強さを備えている

やりたいことを感情の赴くままにやるのではなく
周りに求められていることを、
事の本質と道理を踏まえてキャッチし
若者を導く人を美しい老人というのだなと思いました。

私も、これからの人生は「老益」を意識し、
若い世代から「美しい老人」と言われるようになろう・・・!!!

と心に決意いたしました。