すべての女性がもっとも望むことは何か

2012年あけましておめでとうございます
年末、大掃除の合間に、マンガで分かる心療内科最新刊読みました。
男性の好きなエロマンガだと思っていましたが
最後のエピソードは深かったです。
アーサー王伝説の中のひとつの物語
「ガウェインの結婚」ご存知でしょうか?
※知らないという方は、こちらの高校の世界史の先生による世界史講義録でどうぞ
アーサー王が邪悪な騎士に問いかけられたQuestが
タイトルの「全ての女性が最も望むことは何か?」です。
アーサー王にも分かるはずなく
多くの女性に答えを聞くため、諸国を巡ります。

「美貌」「若さ」「健康」「冨」「子ども」などなど

出会ったいろいろな女性から、いろいろな答えが出るわけですが
「全ての女性が」の「全て」に当てはまる答えはなかなか見つからない。


700年前の話だってダイバーシティ。多様な価値観があるわけです
どれもユニークな答えにはなり得ない。

で、1人の醜い老婆が「若くて健康で身分のある騎士との結婚」と引き換えに
答えを教えてくれるわけです。

その答えは
「自分の意志を持つこと」

これは、中々衝撃です。

約700年前の中世の騎士物語の世界と
現代の日本にもつながる課題・・・・!

ともかくもアーサーはこの答えにより窮地を脱し
老婆との約束は甥のガウェインと結婚させることで果たすわけです。
※つづきは、こちらの高校の世界史の先生による世界史講義録でどうぞ

 

「自分の意志を持つこと」

 

舞台は変わって1000年前の日本、平安時代の話
今昔物語の中から芥川龍之介は大正の世に
「六の宮の姫君」を書きました。
両親の庇護の元、育った深層の姫君が
両親亡き後、頼みの夫になった人(当時は通い婚)
の転勤により生活が困窮し、ついには朱雀門で
死んでしまう・・・・というお話であります。


芥川はそこに出てくる内記の上人に
「あれは極楽も地獄も知らぬ、腑甲斐(ふがひ)ない女の魂でござる。御仏を念じておやりなされ。」
と語らせています。

中学時代にそれを読んだ頃は、
内記の上人が六の姫のことを、なぜそう表現したのか?
全くその意味が分かりませんでしたが、今は納得です。

自分の意志を持たず
庇護してくれる人がいなくなったら
代わりに庇護してくれる人の、
その“庇護”だけを甘んじて受けるただ受身のみの人生。

自分を庇護をしてくれるその人のことを「頼もしい」とは思っても
来てくれて「嬉しい」とは思わず(愛することはせず)
転勤によりその人が来れなくなる(支援がなくなる)というときにも
泣きはするものの、それ以上のことはなく
変わらず琴や和歌を詠むだけ・・・。
「極楽も地獄も知らぬ」とは
「自分の意志を持たぬ人生」とも言えるなあ~~と。

さて、現代。
私たちはちゃんと自分の意志を持って生きているでしょうか?
どうぞ、カンタンに「私はできている!」とは言わないでください。
あらゆるシーンで

「誰かに考えることを任せていないでしょうか?」
「誰かに決断することを任せていないでしょうか?」

振り返って自分と対話してみてください。

自分にだけは嘘はつけません。

 

自分が幸せになるためには
自分のことは自分で考える、自分が決断する。
自分の意志を持つこと。

自分の意志を持つことで、自分の人生に責任を持つことが出来る。
自律と自立に不可欠な第一歩です。


私たちは2012年も女性活躍推進にガチンコで向き合います
今年も宜しくお願いいたします