24時間テレビは”感動ポルノ”か?【Woomaxブログ】

先週末、日本テレビで24時間テレビが放送されました。
皆さんはご覧になったでしょうか?

ここ数年、同番組を巡って「”感動ポルノ”ではないか」という
論争がしばしばネット上で見られます。
“感動ポルノ”とは、
「健常者が感動したりモチベーションを湧かせるための手段として
障がい者をモノ扱いし利用すること」です。

実は私も視聴していて、多くの企画で
健常者(タレント)=励ます、教える、チームを率いる
障がい者(一般人)=励まされる、教えられる、支えられる
という構図になっていることにもやっとしました。
しかし全てのコンテンツを視聴していたわけではないので、
そうでない企画も他にあったのかもしれません。

しかし、健常者(タレント)と障がい者がチームになって
難題に挑戦する某企画の中で、こんなやり取りがありました。
練習中に、チームで一番苦戦しているのがとある健常者(タレント)だとわかり
障がい者の一人が「頑張りましょう」と声をかけると
そのタレント(健常者)が「…番組の趣旨と違うで」と返したのです。

”健常者が障がい者に教えられる”ことは番組の趣旨と異なるという意味でしょうか。
発言の真意と本当の番組の趣旨は定かではありませんが、
そのような雰囲気があるのであれば
インクルージョンとはかけ離れているなあと感じました。

そもそも24時間テレビは何を目的としているのでしょうか。
調べてみると日テレは、CSRの一環として
「テレビの持つメディアとしての特性を最大限に活用し、
福祉の実績や支援の必要性を伝え推進するため、
1978年から毎年放送されているチャリティー番組。
皆様からの寄付は、全額「福祉」「環境」「災害救助」に活用」している」
という記載がありました。

公式サイトなどを見ると、福祉やチャリティーに対する
在り方やコンセプト等のようなものは特に掲げられておらず
「寄付金」を集め各所に貢献することが重視されていると見受けました。

実際に先日の放送後には7億にも近い寄付が集まっており、
恐らく同社の目的は果たしていると思われます。

これだけの莫大な寄付を集められる組織・活動は限られており
たしかにメディアの特性を大いに発揮しているところから
これも支援の形の一つであり、同番組に一定の価値はあると言えます。

身体障害者手帳と精神障害者手帳を持つペンネーム「ダブル手帳」さんは
24時間テレビに賛同した上で、
それよりも「日頃の番組や出演者に障がい者があまり起用されていない」ことに
疑問を呈しています。

私自身、日頃テレビを視聴していて
障がい者が起用されていないことにすら想像が及ばなかったことに
ハッとしました。

企業でも例えば、障がい者雇用に際して
法定雇用率をクリアするためだけの手段としてしか捉えていないと
社内外で歪みが起きるのではないかと思います。

組織としてどうあるべきか、何をしていくのか
丁寧に検討しながら進める必要があります。

そして一人ひとりが日常で障がい者やマイノリティと接する機会、
こうして番組を視聴する機会などを通して
考え、リテラシーを高めていく必要があると思います。
他人事だと思って無関心でいることが
差別に繋がってしまう場合があります。

問いを与えられる機会になっている点ではまた、
同番組はメディアの持つ力を発揮していると言えるのかもしれません。

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