「従業員が多様化したらお客様も多様化した」【Woomaxブログ】

「1日100色限定」がコンセプトの佰食屋(ひゃくしょくや)。
従業員は30名ほどで、京都で3店舗が運営されています。

1日100色限定を徹底しているため、
「営業時間は3時間半」ほど、「残業ゼロ」を実現し
代表の中村朱美さんはメディアや講演会に出演したり、
著書『売上を、減らそう。』を出版するそうです。

また、多様な人材を雇用している点が評価され
「新・ダイバーシティ経営企業100選」や
日経WOMANの「2019ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に選出されています。

佰食屋は、
「従業員がダイバーシティになったらお客様もダイバーシティになった」そうです。

もともと中村さんは、
ダイバーシティを意識して多様な人材を雇用したわけではないとのこと。
きっかけは難聴の方の採用でした。
応募してきた店舗で接客業務に就いてもらうのは難しそうでしたが、
別店舗で独立した厨房の採用を提案したそうです。

他にも例えばシングルマザーの方が働いていらっしゃいます。
採用時に「子どもが体調を崩したときなど迷惑をかけるかもしれない」と話がありましたが、
中村さんは「一緒に働いている自分か夫がフォローすればよい」とすんなり思い、
彼女を採用したそうです。

マイノリティな人材を採用するとイレギュラーな対応は増えると言います。
しかしそれは、そもそも誰でも同じこと。
「みんな少しずつ違っていて、みんな少しずつフォローし合っている」と
中村さんは語ります。

そうして従業員の多様性が高まるにつれ、
お客様も多様な方が来られるようになり
従業員がお客様に対して多様な対応ができるようになっていったそうです。

階段を降りられなくなってしまった高齢者を
従業員がおんぶして降りた、
義足の方をお座敷席へ案内したときには、足を拭くタオルを渡した、
未就学児のお子様には、「キッズライス」サービスを設け
料理が来るまで待たなくていいように子ども茶碗1杯分のごはんを無料でサービスする、
他にも
「傘の取り間違いを防ぐため、
番号を書いた洗濯ばさみを傘につけて目印にするのはどうか」、
「店員に声をかけなくても好きなだけお茶を飲めるように、
ボトルをさまざまなところに配置したい」
「海外からのお客様は味噌汁を飲む際スプーンを使うようなので、
スプーンをお出しするのはどうか」
など多数なアイディアが生まれているそうです。

マニュアルがあるわけではなく、
こうしたことを従業員が”自然に”行っていると言います。
日頃から、「多様性のなかで、お互いに助け合い、なにをどうすべきなのか、
どんな場合に困ることがあるのか、学びとれている」からではないかと
中村さんは考えています。

そして中村さんは、従業員が何かしたときには
「○○さんがこうしてくれた!すごくない?」と
褒め、かつみんなに知らせることを積極的に進めています。

従業員の多様性から始まり、
お客様の様々な方から支持されるようになり、
従業員とお客様間のコミュニティに多様なアイディアが生まれる―
このような好循環が起きているのですね。
ダイバーシティ&インクルージョンを進める価値を
まさに体現しているとお見受けしました。

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