サントリー新浪社長が見据える、女性活躍や働き方改革のその先【Woomaxブログ】

サントリーホールディングスの新浪剛史社長が
女性活躍や働き方改革に関して日経ビジネスのインタビューに答えています。

新浪社長は、
「私はAIの存在が当たり前になるほど、
人間らしさというアンチテーゼを作らないといけないと思う。」と話します。

“人間らしさ”から生まれる商品こそが、
「サントリーにしか創り出せない商品や営業提案」になることを期待しているのだそうです。

インタビューを読むと、女性活躍や働き方改革は
そうした中長期的な経営戦略のための
通過点と考えていらっしゃる印象を受けました。

まず、女性活躍は
自社の顧客の女性の割合が増えているため、
商品開発や営業施策に女性の感覚・視点を取り入れたいと考えているそうです。

女性の管理職登用を積極的に進めているとしながらも、
「下駄は履かせない」と明言しています。
「一昔前は女性はチャンスさえ、もらえなかった。
これからはもっとチャンスを提供します。
それを生かすかどうかは本人次第です。」と仰っています。

下駄を履かせたとしても、実績が出せなかったら
周囲もついていかなくなり、本人はストレスやプレッシャーがかかり
折れてしまうことも考えられます。
そうならないために、丁寧に育て、適切な人財配置を心がけているといいます。

また、新浪社長が重視しているのが従業員の健康意識です。
社長に就任した頃は、米ビーム社を買収し、
同社をグローバル企業として進化させなければいけない時期だったそうです。
そのとき、グローバルスタンダードの働き方に
足りていなかったのが、”健康意識”だったそうです。

日本の労働環境の背景を鑑み、
「残業を減らすよりも、有給休暇の取得を増やす」よう指示を出したそうです。
これが同社の働き方改革の一つです。

ちょうど4月1日より働き方改革関連法案で有休取得が義務付けられましたが、
有休を取ることが”目的化”してはいけないと社長は話します。
「大切なことは健康を維持するために、
どのような取り組みをすればいいかと考えるカルチャーをつくること。」と仰っています。

仕事から離れ、1人の消費者として余暇を楽しむことで
人間らしい喜怒哀楽を感じることが、
冒頭の”人間らしさから生まれる商品開発”に繋がります。

インタビュアーからの「なぜ、これら女性活躍や働き方改革に人事部門だけでなく
トップも率先して取り組むのか」という質問に次のように答えています。

「会社にとって、人が全てです。競争力の根幹です。
それに人事部門が主導したら、
1つの部門の仕事として捉えられやすく、社員は自分事として考えづらい。
トップが自らやれば、会社のコミットメントになり、重みが違います。」

インタビューの内容を読むと、うわべの言葉ではなく
自らトップとして本気で取り組んでいることがひしひしと伝わってきます。

なぜ取り組む必要があるのか、どんなところに重点を置き、配慮すればよいのか。
女性活躍や働き方改革を進める誰もが参考にできると思います。

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