生活給・家族給を含む日本型雇用の問題【Woomaxブログ】

東大入学式の祝辞が話題になったジェンダー学の第一人者・上野千鶴子氏と、
労働省出身で日本型雇用研究の第一人者である濱口桂一郎氏の
2016年の対談を文春オンラインが再掲しています。

お二方がまず
「女性の労働問題は、個人の意識の問題ではなく、構造の問題だ」と合意するところから
対談は始まります。

問題とされる構造の一つは、日本ならではの
給与が「生活給(家族給)」として運用されていることです。
「妻が働かなくても家族の生活が成り立つ賃金を父が稼げる」ようになっていることです。

欧米では、「職務給」が採用されています。
これは中世からの伝統を職業別組合が受け継いできたことに起因するのだそうです。
「家族給」が議論されたこともありますが、受け入れられなかったようです。
欧米でも、同じ仕事をしていても女性のほうが給与が少ない、といった差別はありましたが
それに対する反論が出てくると、比較的スムーズに
給与での男女差別は解消されたそうです。
それは、「職務給」への思想が根強かったからのようです。

最近はこの給与システムにメスを入れ、
「職務給」へと切り替えている企業も出てきていますね。

実は1960~70年代に、政府や経営側が
「生活給から職務給へ」と改革しようとしたこともあったそうです。
しかし同時に高度経済成長が発展したため、
それまでの日本のシステムも素晴らしいのだ、というムードになり
結果として改革が遅れたのだそうです。

このほか、対談では
上野先生が祝辞の中でも述べた「男性優位に進められる採用」や、
転勤や労働時間が無制限で働くことを是とする「無限低モデル」についても
議論が交わされています。

そして濱口先生は、
「変わるか変わらないかの主語が企業である限り、
イニシアティブを持っているのは人事部の一人ひとり」と結んでいます。

人事部だけが負担を背負わなくてはいけない、というのとは違うと思いますが
人事部なくして改革はできないということでしょう。
経営陣や社員、そして企業同士も一丸となって進めていかなくてはなりませんね。

約3年前のこの対談を読むと、今は少し状況が進んでいるなと感じるところもありますが、
しかしまだ全く無視できるわけではない、色褪せない内容だと思います。
興味のある方はぜひこちらから全文をご覧ください。

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