愛している・・・概念の違い

美容室に行くと、必ず、ELLEとVERYが置かれます。
年代も志向も違う雑誌が読める貴重な機会なので
美容室で雑誌を読むのは大好きデス。
今、VERYで桐野夏生さんの「ロンリネス」が連載しています。
既刊「ハピネス」の続編です。
hapines.jpg
「タワマン」に住む「●●ちゃんママ」たちの自我と自我のぶつかりあいが
桐野夏生さんらしいリアルな切り口で描かれていて面白い。
美容室のVERYは3月号だった。ロンリネスは第15回を迎えていましたが
十分読めました。私と一世代以上若い女性が読む雑誌ですから、
中々日常で知りえない価値観が繰り広げられていて非常に興味深いです。
小説以外でも桐生さんのインタビューが載っていて
前月号の「妻だけEDの真実・その後」について
桐野さんが語る彼らの「生態」に非常にそそられたので、
髪を切り終わった後、スマホで速攻「妻だけED」を検索してみるとものすごいHit数。
ほとんどが「妻だけEDなハイスペ夫ってどうよ?」的ニュアンスの記事ばかりでしたが、
こちらのページは単なるVS構造で書いていないので非常に面白かったです。
VERYの『妻だけED夫座談会』と男性脳の関係について思うこと
こちらは、黒川伊保子先生の「恋愛脳」を使って、男と女の「愛している」・・・の概念の違いを解説しています。
たとえば「愛している」と言ったとき、男の脳は「とりあえず繰り返し君のところに帰る」という約束をしたに過ぎない。女の脳は、24時間、どの瞬間にも自分を最優先してくれる一生分の約束を手に入れたと思っている。もちろん、自分が「愛している」といえばそうするからである。
by黒川先生
これを、妻から離婚を切り出され、離婚したという男性の話と照らし合わせてみる。
多忙がピークを極め、「週の半分は家に帰れず、帰ったとしてもシャワーを浴びて着替えて、またすぐ出勤」の毎日が続く中、妻に離婚を切り出された。
「放ったらかしている、という気持ちは毛頭ない。たっぷりの愛は伝わっているはず。妻は自分の仕事を応援してくれているはず」と思っていたので、寝耳に水だった。

女性脳からみれば、妻はきっと突然離婚を申し出たわけではないだろう。察してチャンじゃなくて「●●してほしい」としっかり伝えていたかもしれない。しかし、「家に帰ること=愛=ミッションコンプリート」と思っている男性脳には伝わらない。
そもそも「愛していると言ったからには一生最優先にしてくれるはずなのに、仕事ばかりで家には寝に帰ってくるだけなんて無視されていると言える=愛されていない」と感じてしまうのだ。その想いが積み重ねれば「もう無理。離婚。」となるでしょう・・・と容易に推察できます。
しかし男性脳からみれば、繰り返しますが、どんなに忙しくとも「繰り返し家に帰ってくる」という約束を守り続けた=愛を示し続けたという確固たる信念があるらしい。だから「寝耳に水」と言うんだな・・・と、理解できないでしょうか。
実際の記事が読んでみたくなり、Amazonで思わず
バックナンバー(2012年7月号と2016年2月号)を取り寄せ、元記事まで読んでしまいました。
お互いの特性を知り、尊重するコミュニケーションは職場と家庭両方に必須だなと思います。
さて、世の中では「ゲス不倫」が、毎月毎月、人を変え、シチュエーションを変え、
なんとも豊富な事例がアップロードされています。
最新事例でも「妻が母になり、女性として云々」が理由で、
妻だけED(妻以外はOK)ハイスペ夫たちの言とほぼ同じ。
ゲス不倫自体はさておき今回「妻の謝罪」についてが
「あれって、妻の鑑なの?どうなの?」と話題になっています。
前例から「早々に、潔く認め、謝罪したほうが良い。」と思っての段取りだったようですが
本人と一緒に謝罪文を未明に発表、というのは、段取り良すぎ。
「え?」
「妻の本当の気持ちが知りたいわ~。」
と思わせてしまう作用が働いたな~。と思ってみています。
これは、どちらかというと、男性脳にのみ、寄り添った対応なので
女性脳からは「共感できない」と反発の声もあがるでしょう。
やはりダイバーシティはリスク管理に不可欠。
公的な謝罪は特に、多様性に配慮したハイブリッド脳が望ましいと思った次第です