『善』と『悪』について考える
いつもありがとうございます、キヨです。
今回は「善と悪について」考えさせられる一冊、「タルムード金言集」をご紹介します。
「タルムード」とは、平たく言うと「ユダヤ人が代々語り継いできた説話」です。
人々の偏見やいわれなき迫害を受けてきた、国土を持たないユダヤ人。
そんな悲劇の歴史の中、困難をどう切り抜け、どう生き抜いてきたのか?
彼らの知恵の安全律、人生の羅針盤が「聖書とタルムード」だと言われています。
本日の一冊:『ユダヤ人の成功哲学「タルムード金言集』 石角完爾 著
ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集 (集英社ビジネス書)
この書籍の中で、善と悪について書かれた説話をご紹介します。
【ノアの箱舟の真実の話】
神が怒ってこの地上に大洪水を起こされた時、ノアの箱舟にだけは男と女、
そして動物もオスとメスの一つがいずつを乗せられた。
最後に「善」が箱舟に乗ろうとやって来たが、神は「カップルでしか乗せない」
と言われ、「善」の乗船を拒否された。
そこで「善」はもう一人の「善」を連れて来たが、神は「善と善はカップルではない」
と言われ、再び乗船を拒否された。
やむなく「善」は、大嫌いな「悪」と手をつないでやって来たところ、
神は「よし」と乗船を許された。
ユダヤ人の親は、子にタルムードを読み聞かせ、語って聞かせるそうです。
そして必ず、「あなたならどうする?」と問い掛け、考えさせるのだと。
それを積み重ねることで、我が子の考える力、工夫するアイデアを育むそうです。
では今回の説話は、何を私たちに問い掛けたのでしょう?
私たちは何を考えればよいのでしょうか?
さらに著者は、この章でこう綴っています。
ノアの箱舟には、すべてカップルでしか乗船できなかった。
そこで善と悪が、苦と楽が、薬と毒が、福と禍が、富と貧が、カップルで乗って来た。
だからこの世界には、常に二つが存在するのだ。
しかも善と悪、苦と楽、薬と毒、福と禍、富と貧が手をつないで存在するのだ。
二つが別々に存在するのではない。
矛盾する二つが常に一緒にいるのだ。
いかがでしょう、「矛盾する二つが常に一緒にいる」は意味深いと思いませんか。
ダイバーシティも人財育成もチームマネジメントも、この意味が前提で考えてみる。
善と悪は表裏一体ならば、相手の悪の言動ではなく善の言動にフォーカスする。
誰もが善も悪も持ち合わせているものならば、善を伸ばせる環境作りをすすめる。
そもそも、何が善で何が悪かも、その人の価値観や考え方で違うものであること。
それらを分かりやすく諭し考えさせられる、まさに「金言集」です。
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