『いい人』だけで終わらないようにするために

いつもありがとうございます、キヨです。

仕事をすすめる上で、皆さんはこんなことを感じたことはありませんか?
「〇〇さんは、“気づかいが報われる人”だな」
「〇〇さんは、“人に利用されるだけの人”だな」

同じ行動や同じ発言をしても、人によって評価が真逆になることがありますよね。
そこで今回は、「いい人だけで終わらないため」の一冊をご紹介します。

本日の一冊:『GIVE&TAKE』 アダム・グラント 著

成功するギバー

GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代 三笠書房 電子書籍

まずは、帯にあるこの本の前提です。
※Amazonだと帯がない画像なのでここに紹介しますね。

「ギブ&テイク」とは、この世の中を形成する当たり前の原理原則に思える。
しかしこれからの時代、その“常識”が果たして通用するのかどうか
著者の問題提起が、アメリカで大論議を巻き起こしている。
人間の3つのタイプである、

ギバー (人に惜しみなく与える人)
テイカー (真っ先に自分の利益を優先させる人)
マッチャー (損得のバランスを考える人)

このそれぞれの特徴と可能性を分析した著者のするどい視点は、
これからの仕事、生き方の方向性を左右するだろう。

ギブする人とテイクする人だけかと思いがちですが、
本書には、その中間に位置する人の方がほとんどだと書かれています。

また、新約聖書(ルカによる福音書)にも
「与えよ。そうすれば与えられるであろう」
といった記述もあり、ビジネスの世界でも、恋愛の世界でも
『欲しければ、まずは自分から他人に与えなければ、見返り返ってこないものだ』
みたいな成功哲学、聞いたことありませんか?
しかし、上記のような方程式が成立するなら、
どうして評価されない、搾取されるギバーが出てきてしまうのでしょうか。

主語を「私」から「私たち」に変えてみる

この本には、興味深い実験の例が出ていました。

~仕事のオファーの条件を交渉する~というものでしたが、
どのような場合でも男性は平均4万9千ドルを要求したのに対し
女性は「自分のために」交渉した時には平均4万2千ドルの要求で、
男性より17%低かった。
しかし、
女性が「友人のために」交渉した時には男性と同じように
平均4万9千ドルを要求し、差異が消えたのです。

女性上級管理職は、自分より他人のために交渉した時の方が上手くいったのだ。
争点が一つしかない短期間の交渉では、ギバーは進んで相手にうまい汁を
吸わせてしまうので、テイカーよりずっと不利になる。
しかしギバーが高い目標を設定し、それにこだわると
~ほかの誰かのためなら、なおのこと~ この不利な立場はすっかり消え失せるのである。

ギバーの人ほど「自分のメリットより相手のメリット」を考えてしまうといった交渉下手な面があります。
また、共感力の高い女性ほど、「いい人症候群」の落とし穴にはまりがちではないでしょうか。

そんな時は、主語を「私」から「私たち」に変換してみましょう。
自分のために、苦手な交渉をするくらいならあきらめた方が楽ですが
周りのメンバーも含めた「私たちのチーム」と考えれば、言動が変わります。

またテイカーは、「自分への評価のことで、いつも頭がいっぱい」の人です。
では、そんなテイカーと大切なギバーをどうやって見極めるか?
自分はどうしたら成功するギバーになれるのか?
そして、お金と幸せのどちらをどうやって優先させるか?

そのための答えや道筋を教えてくれる、とても骨太な内容の一冊です。

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