「介護」と「学ぶ」「働く」が併存する時代へ
重度訪問介護サービスの制度改正の必要性
先日の参議院選挙で重度の障がいの当事者である、舩後靖彦さんと木村英子さんが当選したことをきっかけに、日常生活で常時介護が必要な
に関心が高まっています。
「重度訪問介護サービス」とは、重度障がいのある人が
・食事
・排せつ
・移動
といった日常生活のための介護を継続して受けられる制度です。
しかし、現状、仕事中や通勤・通学、学業などでは、重度訪問介護は使えないのです!!!
厚生労働省の見解は、就学・就労の合理的配慮として、
こうしたサポートは事業主が行うべきだという見解があり
こうした背景から、重度障がいのある人たちが
高等教育を学ぶために、進学したり、働くことが難しいのだということです。
京都大学の障害学生支援ルーム
そんな中、この制度を24時間使って生活する、油田優衣さんという京都大学の4年生がいます。
油田さんは脊髄性筋萎縮症(SMA)を患っていて、京都大学の入学試験の論述問題ではキーボード使用が認められて合格し、入学しました。
京都大学には、障害学生支援ルームというものが設置されており、障がいを持った学生の受講をはじめとする大学生活を支える
「学生サポーター」
制度が設けられています。
ここで私が興味深いと思ったのは、学生たちは
ボランティアではなく時給1,200円でサポートする
ということです。
サポーターの役割は
「京都大学で、ともに学ぶ学生として、ともに学べる環境作りへの協力」
とあります。
この趣旨に賛同すれば、無償で労力を提供しようとする人も多いのでは?と思いますが
あえて、有償化にしていることに、なんらかの京都大学支援ルームの意図があるのだろうなと思います。
機会があれば伺いたいです。
私の個人的な意見としては。
サポーターの有償化により
・健常者の労働(雇用)
・障がい者の個人的活動
が同時に産まれる、と思います。
障がい種別によって、サポートは多岐にわたります。
障がい学生との関りによって多くを学ぶことが出来るから無償で、という考えもあると思いますが
実際体力、気力を使うので、こうした消耗エネルギーに対する対価を払うことにより、
関心を持つ学生が増えるなら、素晴らしいと思いますし、
サポーターが増えることで、障がい学生が、思うように、
学んだり、学生生活をエンジョイできる時間が増えるといいなと思います。
このような活動を他の大学や企業就労など、さまざまな場面で取り入れることができれば
「介護」と「学ぶ」「働く」
が併存でき、重度障がいがある人が、もっとより良いキャリア(人生)を積み重ねられるのではと思います!
編集後記
厚生労働省は
「職場や通勤時の介護も公的支援の対象とする制度改正を行い、
遅くとも来夏までに具体策を取りまとめる予定」
と発表しています。
制度改正を待つだけでなく
こうした好事例をどんどん展開していければ、
重度障がい者の「学ぶ」「働く」が実現する可能性が高まると思うので、広まってほしいです!
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