超老舗企業「井村屋」のダイバーシティ経営【Woomaxブログ】

「あずきバー」をはじめ多くのヒット商品を持つ、井村屋。

あずきバーは1973年から発売開始したロングセラー商品ですが、
今でも売り上げを伸ばし
なんと昨年、過去最高の販売本数2億7500万本を記録したそうです。

また同社では今年4月から、
アルバイト出身の中島伸子さんが社長に就任されました。

中島さんを指名したのは、元社長で現会長CEOの浅田剛夫さん。
「今、一番社長にふさわしい人間を選んだら中島だった」とのこと。
浅田会長は、「トップは男女、国籍、ハンディキャップを抜きにして、
多様性の中から選ばれるべき。決して女性活躍推進で選択したわけではない」
と話します。

浅田会長が中島社長に期待しているのは、
「挑戦する力、変化する力」だそうです。
それは浅田氏自身が「変わることが継続に繋がる」と確信しているからです。

「あずきバー」が超ロングセラーとなっている理由も、
そうした事業戦略や商品開発が起因してのことと想像できますが、
今回は浅田会長から中島社長に受け継がれている
同社の人材育成のポイントを見てみたいと思います。

まず一つ目は、従業員が約950人もいながらマイクロマネジメントであること。
中島社長は自ら、全社員分の自己申告シートを読むそうです。
また常に持ち歩いているA4ノートには、
社員の公私に渡る情報がびっしりと書き込まれているそうです。

浅田会長も中島社長も、
社内ですれ違って「いつもより元気がなさそう」と感じた社員がいると
その上司に、気にかけるよう話すと言います。

また、人事評価は1日かけて行われるそうです。
全社員の評価を、その上司が、会長社長を含む経営陣の前で読み上げます。
そして経営陣もその社員に対して「こんな声もあるよ」などと
コメントを返していくのだそうです。
各社員に対して経営陣も意見を述べられるのは、
日頃からよく見ているからこそですね。

二つ目は、トップのスピーチ原稿は必ずご自身で書かれるそうです。
どんなに小規模の研修であっても、社内外を問わず、
すべて自身で書き、またすべて最初に自ら登壇し、話すそうです。
「思いを何度もひたすら伝え続ける」ことが
井村屋イズムを伝える肝だと考えているからです。

最後に、商品開発においては、トップが自身の“舌”ではなく
担当者の“舌”や、販売戦略を尊重しています。
担当者の“舌”というのは、
よりターゲットに近い人の意見を重視しているからです。
そして味だけでなく、どんな販路で、誰に、どんな特徴を訴求して
販売していくのかといった戦略をよく確認し、
担当者の思考の成長も促進させるといいます。

どのポイントにおいても、トップが考える「変わることが継続に繋がる」を
貫いていることがわかります。
同社は従業員が増加し企業規模も変換期にあるため、
人材マネジメント手法も変わっていかなければならないと考えているそうです。
今後どのように変化していくのかも興味深いですね。

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