タニタが進める「社員の独立を支援」する働き方改革【Woomaxブログ】

タニタは、働き方改革の一環で2017年から
“社員が『個人事業主』として独立するのを支援する”制度を始めています。

かねてより同社の谷田千里社長は、
『働き方改革=残業削減』という風潮に疑問を抱いていたといいます。
もちろん過剰労働はやめさせなくてはなりませんが、
片や「たくさん働きたい人にも、残業規制によって
会社としては与える仕事を抑制せざるを得ない」、
「たくさん働いた人に報いる仕組みがない」ことに
課題を感じていたそうです。
その解決方法がこの“社員の独立支援”に至りました。

実際に「個人事業主」となった元社員たちはどう働いているのでしょうか。
制度開始の2017年1月から独立した社員8人は、平均収入が28.6%上がったそうです。

同社からは、社員時代の給与・賞与をベースに
それまで会社が負担していた社会保険料や交通費、福利厚生費も含めて
基本報酬を決め、支払っています。
しかし会社側の負担総額は1.4%の増加だそうです。

これまで計26人が独立しており、全員が収入が増加しました。
なぜこのようなことが可能かと言うと、
彼らが他社からも仕事を請け負ったり
会社員時代には自腹で受講していた自己研鑽のための費用を
経費扱いできるようになったりして、
手取りが増えているのだそうです。

一方で社内では、抱えきれない業務を個人事業主に依頼できるようになりました。
また、その業務は本当に必要なことかどうか、誰が担うべきか、
コストは見合っているかなどを見極める機会にもなり
社内でも業務や働き方の見直しに繋がっているそうです。

そもそも谷田社長がこの制度を思い付いた発端は、
またリーマンショック級の経済危機に直面した場合、
どうしたら脱却できるかを考えていたからだそうです。
社員が会社の他からも収入を得られる仕組みがあれば、
路頭に迷わせず、再建に尽力してもらえるのではないかと考えました。
この制度の実用は働き方改革にフィットしたわけですが、
目的の一つは、「社員の主体的な働き方を促進する」ことにあります。

残業規制と生産性向上のジレンマに悩む企業は、
本来の「働き方改革」の最たる目的は何かを見直したうえで
このタニタの例を参考にしてみるのも良いかもしれませんね。

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