G20大阪宣言に見る女性のエンパワーメント、ジェンダーギャップの解消【Woomaxブログ】
G20大阪首脳宣言が発表され、サミットが閉幕しました。
首脳宣言の前文では
「全ての人々が潜在力を最大限に活用できる社会を実現する」と記されています。
昨年12月にまとめられたブエノスアイレス宣言では
「G20アジェンダ全体としてジェンダーを主流化する」と示されましたが、
今回の大阪宣言はまさに
「女性とジェンダーの視点がきちんと入っている」と
W20運営委員会の治部れんげさんも評しています。
宣言骨子の「不平等への対処による成長の好循環の創出」の
「女性のエンパワーメント」に関する項目では、
下記の内容が盛り込まれています。
- 2025年までに労働力参加における男女間の格差を25%削減するという
(2014年ブリスベン宣言で記された)目標に向けた各国の進捗を
年次報告書に基づいて確認していく - 質の高い初等/中等、STEM教育へのアクセスを含めた女児・女性への教育を支持する
- 女性の管理職へのアクセスを促進する
- 女性起業家資金イニシアティブの継続的な実施を歓迎する
- 民間セクターアライアンスの立ち上げを歓迎する
また宣言の附属文書として「女性労働参画進捗報告書」も出されています。
いくつかポイントと思う点をご紹介します。
- ブリスベン目標に向けてG20加盟国のほとんどで進展が見られ、
労働市場参加率の男女格差は縮小してきたが、一部の国では依然として困難 - ほとんどのG20加盟国において、男女間の賃金格差は今なおかなり大きい
- 低賃金労働の割合、管理職への登用割合、パートタイム労働の割合が男女格差となって現れている
- 女性がより質の良い仕事に就くことで、福祉と経済的安定が向上する
- さらにこれによって女性の労働参加意欲が高まり、技能の不十分な活用が改善されるだろう
- 昨年の報告書ではキャリア移行(出産育児後の復帰)支援が中心だったが
今年の各国の取組は、家族関連休暇政策の向上とワークライフバランスの促進に収れんしている - マタハラを含むハラスメント、ジェンダー差別との戦いの中で取組が活気を帯びている
また以下についてはさらなる対応が必要とされています。
- 介護サービスの供給と介護休暇の付与を強化
- 育児介護と家事に関する男女の固定観念と規範を変える
- 自営業やそのほかの柔軟な雇用形態において労働者の権利が弱まらないことを確保する
- 性別職域分離の是正に取り組む
- 労働市場における有男女格差に関するエビデンスベースを高める
上記が日本のみの課題としてではなく
世界での状況・課題として示されていることを改めて認識したいですね。
G20全体で議論されるテーマは幅広く、また各国の状況が異なるため、
一つの宣言にまとめるのはとても大変なことと思います。
しかし”ジェンダーギャップを含めあらゆる格差の縮小”については
世界中がその必要性をますます感じている、
また安倍首相も強く賛同していることが分かります。
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