ハラスメントを未然に防ぐために必要なことはこれだった!

いつもありがとうございます。

月1回お届けしています
「Woomax通信」Vol.107
今月は臼井あかねがお送りします。

1. 今月のコラム

ハラスメントを未然に防ぐために必要なことはこれだった!

先日、かつて「秘書への暴言(パワハラ)」で物議を醸した元・衆議院議員が
コメンテーターとして出演していたTV番組を観ました。

その方の話し方や表情、髪型や服装などの外見は
当時と雰囲気が一変しており、
数年前に公開された音声から、不条理に怒鳴り散らすハラスメントイメージと
画面に映るその人が、果たして同一人物なのだろうか?
と、少し混乱を覚えました。

各企業でも昨今、ハラスメント防止策を色々と講じていますが
パワハラ防止の施策を徹底することで、事案が減る一方、
パワハラだと訴えられることを過度に恐れるあまり
管理職や指導的立場にある社員が適切な指導に悩むケースも聞かれます。

今回はこちらについて、実際に行動が変わったというケースをご紹介します。

パワハラにまつわる実態

先述した元・衆議院議員のコメンテーターは、TV番組で
とても落ち着いて論理的に、にこやかにお話しされていました。

思い返してみれば当時、その方の配偶者や支持者の方が
「”本当に当人がやったことなのか?”と驚いている」と話していたように、
人間は、だれしも複数のペルソナが一人の中に混在しているのだろうなと思いました。

パワハラをはたらく人、あるいはパワハラに近い言動や行動を取る人たちは
仕事上のトラブルやミスが発生した際に、
「この事態をどうにか切り抜けなければいけない!」「改善が必要だ!」等
目的や問題を重視するあまり、
瞬間的に沸いた怒りの感情を、相手にぶつけてしまい
感情が高じて暴言や暴力的行為につながる場合が多いのではないでしょうか。

そもそも、「相手を傷つけよう」「貶めよう」といった意図が先にあるわけではないと思うのです。

昨今、「アンガーマネジメント」にも注目が集まっていますが
「怒り」は、感情の中でも特に瞬時に増幅しやすく、容易に表現できてしまいます。

職場では時に、相手の間違いを指摘し、改善を促す必要があります。
しかし、相手を執拗に傷つけ、苦痛を与えるのはNGです。

これは、怒りの感情を持つこと自体や、叱る行為が全般的にNGという意味ではありません。

怒りの感情は誰しもが持つものであり、
場面によっては「叱る」が必要な時もあるからです。

こう考えてみると、怒り(や、その他の負の感情)を持つ私たちは
誰しもがハラスメントを加えてしまう可能性を持っているのでしょう。
これについて自覚を持つことはひとつ、大事な事だと思います。

しかしその点について、敏感に危機意識を持っていると
今度は、ハラスメントと訴えられることを懸念し、
管理職や指導的立場にあるリーダーが部下を叱れない、強く言えないケースに繋がってしまいます。
これは組織のガバナンスが機能不全になったり
管理職やリーダー自身が仕事を抱え込んでしまい、自身の心身状態が悪化するなど
別の問題にも繋がりかねません。

では一体どうしたらよいのか…と疑問が深まってきますが
ここで弊社のハラスメント研修をきっかけに
行動が変化した管理職の事例をご紹介したいと思います。

自分を本当に客観視して得た気づき

管理職研修の一環でハラスメント研修を受講した方が
研修後、参加者の同意を得た上でご自身の会議を録音し、
内容を聴いて驚愕したことが2つあったそうです。

① 強い口調で𠮟責していた
② 相手によって最初から声色が変わっていた

特に②については、
実際に、録音した自分の音声が
「相手によって態度を変えている」という事実を突き付けてくれたので、
本音のところは「自分の言動はハラスメントに当たらない」「相手の受け取り方に問題があるのでは」と思っていた自分のアンコンシャスバイアスに気づき、
そのあとは自分の話し方(声のトーンやスピード等)を意識するようになったそうです。

私たちもここから学べるポイントが2つあります。

一つは、「自分の行動を疑ってみる」こと。
前述したように、「誰しもがハラスメントを働きかねない」という事実に
「自分もその一人だ」という自覚を持つ。

二つ目は、
「ハラスメントかどうか」を自分の価値基準で考えるのではなく
自分の行動が業務上ふさわしいかどうか、企業理念、企業の行動規範に合わせて振り返る。

ハラスメントに該当するからNG、該当しなければOKではなく
相手をむやみに傷つけない、
ひとりの人間として、社会人として、適切な言動・行動が大切です。


私自身は、育児において思い当たる節があります。
恥を忍んで書きますが、
“第一子に強く当たりがち…”です。

さすがに明らかな八つ当たりまではしませんが、
仕事や自分自身のことでイライラやストレスが溜まっている中で
第一子を注意する・叱る場面に直面した際、
個人的なイライラの一部を、その叱りに若干、上乗せしてしまっている気がします。
もちろん第一子への愛情が薄いのではなく、
夫にぶつけるには躊躇があり
第二子はまだ幼いので、強く言うには憚られ、
そのどちらでもない第一子が私にとって当たりやすい対象なのだと思います。

一回の上乗せ分は微量だとしても、塵も積もれば山となりますし
そもそも本人に関連のない怒りをぶつけるのは理不尽です。

自分自身の傾向に気付いてからは、叱る場面に直面した際、
「何を伝えるべきか?どのような態度で接するべきか?」と
自分で対策が取りやすくなりました。

未然に防ぐ

ハラスメントは、被害者の苦痛はおろか
組織としてもその対応、補償、企業イメージなど
周囲を巻き込んであらゆるマイナスを生んでしまいます。

当事者の立場を考えてみても、
事案になってから反省するより
「誰しもが当事者になりかねない」段階で向き合う方が
受け容れやすいのではないでしょうか。

そのような意味も含めて
できる限り、未然に防ぐには、
真にひとり一人が自分の言動を客観視できる機会を提供するのもひとつです。

事例としてご紹介した管理職の方も
弊社の研修をきっかけにご自身で振り返る機会を主体的につくって行動をされました。

ひとり一人が行動変容をするための機会を自らつくってもらう。
主体的な人財育成をするためのきっかけづくりが弊社の使命です。

これからも沢山のきっかけを提供していきます!

2. 今月のおすすめ動画

≫コミュニケーションのバリエーションを増やす!
『多様な伝え方』

≫ハラスメントとセットで学ぼう
『アンコンシャス・バイアス』

≫ダイバーシティの基礎をおさらい
『1.多様性とは 2.価値観の違い』

3. 公開講座のご案内

第23期 女性マネジャーのための 課長塾

こんな方にオススメ・社内にロールモデルがいない
・部下をどうまとめたらいいかわからない
・社内で相談できる相手がいない
日程・2022年5月13日(金) 9:30~17:30
・2022年5月27日(金) 10:00~17:30
・2022年6月10日(金) 10:00~17:30
・2022年6月24日(金) 10:00~17:30
・2022年7月8日(金) 10:00~17:30 (*)
・2022年7月22日(金) 10:00~20:00

 *必ず全6回とも同じ方がご受講ください。
会場第1~2日 御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター Room A (1F)
第3~6日 御茶ノ水トライエッジカンファレンス
参加費349,500円(税込み、全6回昼食付き)
※上記通常金額より割引した講師紹介価格をご案内できますので、 ご希望の方は当社宛にご連絡ください
講師竹之内 幸子(たけのうち ゆきこ)(*第5日のみ)
詳細・申込お申込みはこちら
主催株式会社日経BP

4. 編集後記

怒りを怒りのままで伝えるのではなく、
相手に受け取ってもらいやすい表現方法に変換して
コミュニケーションが取れるよう、日々精進です。

今月も最後までお読みいただき、ありがとうございます。

◆メルマガのバックナンバーはこちら
=====================================

株式会社Woomax(ウーマックス)事務局
└ 会社HP└ 社長Blog
└ Facebook└ Twitter
└ YouTube

〒102-0085
東京都千代田区六番町3-11 テシコ六番町4F
TEL:03-6380-9315 FAX:03-6380-9317


書籍発売中
『思い通りの人生に変わる~女子のための仕事術』
『なぜ女性部下から突然辞表を出されるのか』   ほか
日経WOMANオンライン「女性活躍推進」特集インタビュー

================================================
株式会社Woomaxはご縁のあった方々に
定期的に弊社のお知らせを情報提供配信しております。
お送りしているアドレスは送信専用です。
今後、弊社からの情報提供がご不要の方は恐れ入りますが
下記までご送信いただけますようお願い申し上げます。
└ info2@woomax.net

お問い合わせ

各種研修・コンサルティングのご依頼を承っております。
ぜひお気軽にご相談ください。