「セミナーレポート公開 ＆ ハラスメントを起こさせない職場づくり」
いつもありがとうございます。
月1回お届けしています「Woomax通信」Vol. 78
臼井あかねです。
今月の「Woomax」通信をお届けいたします。
目次
1. Woomaxからのお知らせ
「ハラスメントを起こさせない職場づくり」
5月に女性活躍・ハラスメント規制法が成立し、
企業にパワーハラスメントの防止策が義務付けられました。
職場での相談体制の整備などが求められ、
大企業は早ければ2020年4月から、
中小企業は努力義務から始まり数年のうちに適用される見通しです。
罰則を伴う禁止規定は見送られたため
実効性が問われる点は課題と言われていますが、
すでに男女雇用機会均等法で対策措置が義務付けられている
セクハラへの対策と同様に
各社では、より健全な組織づくりに取り組まれていると思います。
また6月に開催された国際労働機関（ILO）の総会では
ハラスメント全般を禁止する条約が採択されました。
しかし国内の規制法の範囲では、
対象者の範囲や禁止規定など多くの点で国際批准に達していません。
対策を講じていかないことには
グローバル進出や外国人労働者の採用にも不利になるとも考えられます。
今回示されたパワハラ（パワーハラスメント）の定義は、
「業務上の指導の範囲内かどうか」がひとつの指針となっています。
しかし実際にハラスメントが指摘された場合、
発言や行動そのものだけで線引きするのは難しいところです。
なぜならば、危険を伴う作業現場とオフィスワークとでは
同じ言動でも緊急性や許容範囲が異なりますし、
当事者や第三者それぞれによって
事実の見方が必ずしも一致しているとは限らないからです。
重要なのは、ハラスメントを未然に防ぐ、
または、できる限り問題が小さいうちに解決できるような
仕組みを作ることではないかと思います。
どのように対策していくことが適切なのでしょうか？
ハラスメントに関する知識
恐らく多くの人が“ハラスメントを行うことはタブーである”
という認識を持っていると思いますが、
まずは基本的な知識を共有することが大切です。
平成24年3月に提言として挙げられたパワハラの定義は、
今回の法制化に於いても同じ文言です。
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの
職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、
精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」
以下、パワハラ・6つの類型も、同様です。
Woomaxが研修で伝えている行動類型と言動例も併記します。
１）身体的な攻撃
暴行・傷害
・足で蹴られる、胸ぐらを掴む、頭をこづかれた
２）精神的な攻撃
脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
・「お前が辞めれば自組織の利益が1,000万は出るのになぁ…」
と会議で言われる
・同僚や後輩をCCに入れた形で、
自分を無能扱いした表記がある指示メールを展開された
３）人間関係からの切り離し
隔離・仲間外し・無視
・挨拶しても無視され、会話をしてくれなくなった
・報告した業務への返答がない
・部署の食事会に誘われない
４）過大な要求
業務上明らかに不要なことや
遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
・休日出勤しても終わらない業務の強要
５）過小な要求
業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた
程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
・営業なのに、倉庫整理やオフィス内清掃などを必要以上に強要される
６）個の侵害
私的なことに過度に立ち入ること
・自分の子どもの教育方針について、皆の前で否定や悪口を言われた
※この6つがパワハラに当たりうる全てを網羅したものではなく、
これら以外は問題ないということではありません
また男女雇用機会均等法にて、セクシュアル・ハラスメントとは
「『性的嫌がらせ』を意味する。刑事犯罪にあたる行為から、
民事上の不法行為にあたると判断されない
単なるマナー違反まで含むこともある。
男性が女性に対して行う言動のみならず、男性が男性に、
女性が男性に、あるいは女性が女性に対して行う言動まで含まれる。」
とされています。
パワハラの定義に書かれている「職場内の優位性」とは、
役職に限らず、経験の長さや専門性なども含まれます。
例えば、
部署に新しく異動してきた正社員と、ベテランの非正規社員との間、
ジェネラリスト型に活躍する社員と高い専門知識を持つスペシャリスト型社員との間で
起きたミスコミュニケーション等もハラスメントに当たる場合があります。
他にも下記のように様々なハラスメントがあります。
- マタニティハラスメント ・・・妊娠、出産した女性への圧力
- パタニティハラスメント ・・・出産、育児を理由とした父親への圧力
- 就活ハラスメント ・・・就職活動中の学生に対する圧力
- エイジハラスメント ・・・中高年、高齢者への圧力など
- ソーシャルハラスメント ・・・SNSなどでの嫌がらせや圧力
さて、ここまで読むと、
「これも、あれも、ハラスメントになるのではないか…！？」
と、うんざりしてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際、ハラスメントを恐れるあまり、
指導すべき場面で不要に遠慮が働き、
適切な指導ができなかったり
職場で異性と接することを過剰に避けるといったケースもあり、
これでは、本来の「多様な個の活躍や人材育成」を
阻むことにも繋がってしまいます。
自分の言動の目的をしっかり明示し、
正しい知識を持つことで、そうした状況は防げます。
実際に起きたハラスメント問題を見ると、
必ずしもハラスメントを行ったとされる者は悪意からでなく
ときに善意ゆえの行動や、過去の経験上では許容された行動が
ハラスメントに繋がってしまったケースもあります。
思い込みを排除し、自分の言動について
客観的なリフレクションをするには
ロールプレイングやワークショップなどの疑似体験が有効です。
ハラスメント対策は、法律知識を座学で学んで終わりにするのではなく
職場の人と関わる場に於いては、自分の言動に目的意識を持ち、
目の前の人と共有した上でコミュニケーションを取っていくことが大事です。
健全な職場で、みんながいきいきと働ける環境をつくっていきましょう！
2. 7/6公開セミナー「組織のジレンマを乗り越える」レポート公開
Woomax公開セミナー「組織のジレンマを乗り越える」を
7/6に名古屋にて、無事に開催することができました！
会場にお越しくださった皆様、講演をしてくださった治部れんげさん、
開催にご協力いただいた皆様に改めて心より感謝申し上げます。
第1部の基調講演では、ジャーナリストの治部れんげさんより
女性活躍が上手く進まない組織の実態、
“女性活躍”の本質に迫る課題提起、
国際的に議論されている“ジェンダー平等”や“女性のエンパワーメント”について
ご自身の取材に基づくリアルな現状と広い視野から見た核心を突く指摘を
織り交ぜてお話しいただきました。
難しく感じられそうな高度な話も含まれる中、
参加者からの意見も引き出しながらわかりやすく説明してくださり
会場中がひとつにまとまって集中して耳を傾けていました。
講演内容をレポートにまとめましたので、こちらからご覧ください！
└ https://woomax.net/sreport/sreport-5659/
3. 公開講座のご案内
◎富山県主催◎
煌めく女性リーダー塾 ～スキルアップコース～
＜コースの特長＞
リーダーシップ、コミュニケーションをテーマとした
1回完結型・全4回の講座
＜日時＞
2019年7月26日（金） 9：00～17：00 ＊竹之内が登壇します！
2019年9月11日（水） 9：00～17：00
2019年9月25日（水） 10：00～12：30
2019年12月12日（木） 9：00～16：00
＜講師＞
株式会社Woomax 代表取締役 竹之内 幸子（たけのうち ゆきこ）
＜対象＞
-
- 企業等からの推薦がある方
- 修了後に交流継続によるネットワーク形成に努めていただける方
- 原則、すべての回にご出席いただける方
＜定員＞
35名（※各企業2名程度）
＜会場＞
富山県民共生センター「サンフォルテ」等
＜受講料＞
1名 6,000円
＜申込期限＞
2019年7月12日（金）
＜お問い合わせ先＞
（公財）富山県女性財団 煌めく女性リーダー塾事務局
└ http://www.sunforte.or.jp/event/svEveDtl.aspx?servno=1011
◎（一社）日本能率協会 主催◎
管理職のためのダイバーシティ・マネジメント研修
＜ねらい＞
男女脳レベルでの価値観の違い、世代間での価値観ギャップを理解することを通じて
自身の無意識の思い込みと「違い」を認識する。
その「違い」を活かしながら、部下から信頼されるために必要な6つの力を学ぶ。
＜対象＞
-
- 女性部下を抱える管理職の方
- 「信頼される上司」を目指すリーダー・管理職の方
- 女性活躍推進、ダイバーシティ推進のご担当者
＜日時＞
2019年11月6日（水）
＜会場＞
東京（詳細未定）
＜参加費＞
53,000円（税抜き）
＜講師＞
株式会社Woomax ダイバーシティ推進コンサルタント 青柳 未央（あおやぎ みお）
＜持ち物＞
筆記用具
＜お申込先＞
└ https://school.jma.or.jp/products/detail.php?product_id=100125
編集後記
Woomax公開セミナー終了後、講師の治部れんげさんが
ご自身のSNSでセミナーの感想を投稿してくださいました。
その中で、
「名刺交換した方々が各社の状況を教えて下さったのですが、
こういう方が“ふつうに活躍”できるようになったらいいなあ、と思いました。」
とありました。
参加者の方々、レポートを読んでくださった方々にとって
抱えていたジレンマが少しでも解消され、
前向きに進んでいけるきっかけとなりましたら嬉しく思います。
今月も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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『思い通りの人生に変わる～女子のための仕事術』
『なぜ女性部下から突然辞表を出されるのか』 ほか
└ https://woomax.net/book/
※日経WOMANオンライン「女性活躍推進」特集インタビュー
└ http://nkbp.jp/1qtvvEb
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