「健康経営とダイバーシティ・女性活躍の関連性」

いつもありがとうございます。
月1回お届けしています「Woomax通信」Vol. 79
臼井あかねです。

今月の「Woomax」通信をお届けいたします。

1. Woomaxからのお知らせ

「健康経営とダイバーシティ・女性活躍の関連性」

Woomaxは先月、
厚労省が行っている「がん対策推進企業アクション」に加盟しました。
「がん対策推進企業アクション」は、
がん検診の受診勧奨や知識啓発など
職場におけるがん対策の推進を表明する企業の集まりです。

今や、がんになっても病状によっては、治療と並行して仕事を続けられる時代。
Woomaxも、社員のがん対策はもちろん、
がん対策や健康経営を進めている企業の皆様と足並みを揃えていきたい思いがあり
今回の加盟に至りました。

がん対策は「健康経営」の一環にも位置づけられています。
健康経営は、従業員の健康管理を企業が投資として捉え
戦略的に取り組む経営手法で、
ダイバーシティ、女性活躍、働き方改革とも密接に連動しています。

弊社のお客様にはすでに取り組まれている企業も多いですが、
今回は、今後ますます重視されていく健康経営について
特にダイバーシティ・女性活躍との関連性に焦点を当てたいと思います。

近年、健康ブームが長く続いているとは言え
なぜ企業に従業員の健康増進が求められているのでしょうか。

健康経営が求められる社会的背景

国は高齢化による医療費圧迫が喫緊の課題となっています。
医療費と健康保険料を削減すると共に、
国民の健康を維持することで
減少、高齢化する労働力に歯止めをかけたい狙いがあります。

日本は国民皆保険制度が充実しており、
「不調や病気になったら、病院にかかる」対症療法が比較的安価で
健康診断やワクチン接種といった「予防」には
高額な費用がかかるシステムになっています。

一方、欧米では、
「まずは病気にならないように」予防への対策に重点が置かれています。
病気になる前に健康を維持できれば、嵩む医療費を抑えることができます。
日本もこれに倣い、長期的には予防重視へのシフトを
視野に入れているのではないかと思います。

 

経産省は2015年から『健康経営銘柄』の選定、
2017年から『健康経営優良法人』の認定を開始しました。

各企業はどのような取り組みを行っているのでしょうか。
『健康経営銘柄2019』に選出されている3社をご紹介します。

ブラザー工業は、「ブラザーグループ健康経営理念」を制定し
経営トップが「最高健康責任者(CHO)」に就任しています。
会社・労働組合・健保組合が三位一体となって
グループ全体の健康保持・増進に励み、特に近年は
労働時間の適正化とメンタルヘルス対策に重点的に取り組んでいます。

中部電力は、重大疾病の早期予防・発見と健康意識向上のために
人間ドックを無料で受診できるようにしました。
また地域ごとにメンタル管理医を配置したり、
健康づくりのイベントを実施するなどして
従業員が健康増進に取り組む機会を増やしています。

丸井グループは、社員が主体となって
「健康経営推進プロジェクト」を推進しています。
プロジェクトが展開する「インクルージョンフェス」は
社員とその家族1,700名超が参加する全社的イベントになっているほか、
日本健康生活推進協会が運営する「日本健康マスター検定」の
合格者の受験料を負担し、ヘルスリテラシーの向上に努めています。
また各事業所の「女性ウェルネスリーダー」が中心となって
女性のがん予防に注力しています。

重視される女性の健康

従来は労働安全衛生法に基づき
有害物など健康障害の発生を防止する措置や
衛生管理体制の整備が義務付けられてきましたが、
加えて昨今は特に、メンタルヘルスや
女性や高齢者の健康対策が注目されています。

『健康経営銘柄』の選定要件には、今年から
「女性の健康保持・増進に向けた取り組み」が追加されました。

この背景には、労働市場に女性が増えていることと、
女性は男性と比べるとホルモンバランスの変化が激しく
月経、妊娠・出産、不妊、更年期など
1ヶ月、一生を通して体調に波があるため重点化されたと思われます。

経産省の「『働く女性の健康推進』に関する実態調査」によると、
約2人に1人の女性が
「健康課題や症状を理由に、勤務先で困った経験がある」と回答しており、
特に20、30代の働き盛り世代でその傾向が高く見られます。

また同調査で、「健康課題が原因で、職場で何か諦めた経験があるか」を問うと
「そういう経験はない」が半数以上を占め最も多いものの、
42.5%が何らかを諦めた経験があり
少なからず女性のキャリアアップを阻んでいることがわかります。

 

労働基準法では『生理休暇制度』が設けられていますが、
「生理(月経)中である」ことは明言しにくく、あまり活用されていません。

他の健康課題においても、また女性に限らず男性にとっても同様で、
個人的な問題である疾病に関しては
なかなか周囲に表立って言いにくい話題でもあります。

しかし、いつもと様子の違いを感じ「体調が悪いのかな」と心配になったり
キャリア面談などで、同僚や部下の体調に関して
配慮しようとすることもあるかと思います。

産業保健師である南えりさんは、そんなときの声かけのポイントを3つ挙げています。

  1. なぜ聞くのか(”仕事のために”聞いている、ということ)を明確に伝える
    ・「最近、仕事の効率が落ちているようだけど、体調が悪い?
    元気に仕事をしてほしいので、困っていることがあれば産業医や私に相談してね」
    ・「妊娠おめでとう。会社としては今後も仕事を続けてもらいたいのだけど、
    業務上で配慮してほしいことやサポートしてほしいことはある?」など
  2. 答えない権利を与える
    ・「仕事に関係ないことや、○○さんが答えたくないことは、答えなくていいからね」
  3. プライバシーを守る
    ・「聞いた話は許可なく他の人に話すことはないから安心してね」
    ・「もしチームのみんなの協力が必要なら事情を話す必要があるかもしれないけど、
    どのようにみんなに伝えるかは事前に〇〇さんに相談するので一緒に考えましょう」

(引用抜粋:産業保健新聞「男性管理職は特に気を付けたい!女性部下とのコミュニケーション」

こうしたコミュニケーションで配慮していくと同時に
制度や職場環境を整えていく必要があります。

また最近の研究では、
欠勤(=アブセンティーイズム)よりも
出勤しているがパフォーマンスが上がらない(=プレゼンティーイズム)状態のほうが
経済損失が大きいという結果もわかってきています。

特定の疾患や症状に対してきめ細かく対応する制度というよりは、
例えば柔軟な働き方を可能にするテレワークやフレックスタイム、
育児や介護と仕事を両立している社員をサポートする既存の制度を
病気を理由にも利用できるように対象範囲を広げるなど
汎用性が肝要ではないかと思います。

自身の健康意識や周囲への理解を育むため
ヘルスリテラシー研修なども有効でしょう。

これらはSDGsが掲げるテーマ「誰一人、取り残さない」にも通じます。

健康づくりは本人にしか実践できないものの、
社員ひとりひとりの健康を会社の財産として考えられる企業が
採用や投資市場においても評価されるようになりつつあります。

職場のダイバーシティ化が進み、あらゆる人が共に働いていく中で
より一層、健康経営への取り組みも重視されていくと想定されます。

2. 公開講座のご案内

◎(一社)日本能率協会 主催◎
管理職のためのダイバーシティ・マネジメント研修

<ねらい>
男女脳レベルでの価値観の違い、世代間での価値観ギャップを理解することを通じて
自身の無意識の思い込みと「違い」を認識する。
その「違い」を活かしながら、部下から信頼されるために必要な6つの力を学ぶ。

<対象>

    • 女性部下を抱える管理職の方
    • 「信頼される上司」を目指すリーダー・管理職の方
    • 女性活躍推進、ダイバーシティ推進のご担当者

<日時>
2019年11月6日(水)

<会場>
東京(詳細未定)

<参加費>
53,000円(税抜き)

<講師>
株式会社Woomax ダイバーシティ推進コンサルタント 青柳 未央(あおやぎ みお)

<持ち物>
筆記用具

<お申込先>
└ https://school.jma.or.jp/products/detail.php?product_id=100125

編集後記

私事ですが、第二子出産のため
来月より産・育休に入ります。
「毎月メルマガ読んでるよ!」というお声や
返信メールを励みに試行錯誤してまいりました。
いつも温かいご意見を下さり皆様には大変感謝しております。

メルマガは来月より新担当者がお届けいたします!
これまでにない切り口で
多様なお知らせを皆様にお伝えできると確信し、
私も購読を楽しみにしています。
引き続きどうぞご期待ください!

今月も最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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