識字と基礎教育はすべてのゴールの基盤

昨日は毎月一回学ばせていただいている哲学の会にて、パキスタンのオルタナティブ教育推進プロジェクトのチーフアドバイザーを務める大橋知穂さんによる特別講演を拝聴しました。

パキスタンの人口は約2億人、その内学齢期(5歳~16歳)の人口は5,100万人、その内の2,260万人が学校に通っていない。また、これと関連して、7歳から15歳までのパキスタン人女子のうち62%は、全然学校に通ったことがないというデータもあります。これは、学校教育を受けていない女性がいかに多いか、ということを示す数字です。

子どもに教育など施す必要はない。さっさと働いてもらった方がいい。ましてや女性に教育などいらない。女は家の中にいるべきだ。といった保守的な人々に対し、10年前から、大橋さんが取り組んでいるJICAのオルタナティブ教育推進プロジェクトでは、学校に通えない、あるいは中退してしまった子どもたちや、学ぶ機会を得られなかった青年や成人に対して、学習の機会の提供、たとえば、村ごとに教育の場を用意して、女性たちに役に立つことを教えるなど、一つ一つシステムを確立されています。

「女性が家にいるからと言って教育が不要な理由にはならない。」といって「そりゃそうだな!」と子どもを学校に送り出す家庭はありません。公共の教育は詰め込み教育であるし、制服やノートや鉛筆などの消耗品などの経済負担がかかる割に学んだことで日々の暮らし(経済)が上向きになるわけでもない。学ぶことで豊かになる見通しがつかないことが大きな要因となり、中退者が世界ワースト2のパキスタンで、オルタナティブ教育を受けた女性が、家で電気会社の請求書を読むことができるようになったり、レシピを理解できるようになったことで料理の腕が上がったり、ちょっとした裁縫を習うことによって出来ることが増えると、家庭生活が向上する。こうした学びが自分の実益とつながる教育内容・教材づくりがとても大切です。


また、女性が教育を受けることで、外に出る機会が増え、↑の写真では女性が男性社会のネットワークに参画することで、「村が前よりもきれいになる」「女性のメンバーはマーケティングのいいアイデアがある」「女性がメンバーに加わってから村落教育委員会がより具体的で活発になった」といった意見を引出すことにも繋がり、結果、「女性も学校に行かせた方がいいな!」という新常識を社会に拡げ、新たな風土づくりに貢献しているのです。

さて、読んでいてどうでしょう?上記に列挙したパキスタン男性のコメントは、私が日本の企業研修で、今、尚、よく聴くリアルと共通するものが多分にあります。

識字と基礎教育はすべてのゴールの基盤 

・・・と言うことを踏まえ、識字率58%のパキスタンと識字率99%の日本の問題は、なぜ共通する部分が多いのか?解決の一助になることは何か?一人ひとり考えていきたいテーマですね。

考えるには哲学が必要です。

今回大橋知穂さんの講義を私が受けることが出来たのは、知穂さんが、毎月通う哲学の会を主宰する大橋一陽さんのお姉さまというご縁からです。大橋さんが経営する会社がミスワールドのライセンスホルダーであり、ミスワールドに応募し最終選考まで残るメンバーの皆さんは自分の能力や才能をどのように社会に貢献させるかをテーマに持つ人たちが多いので昨日の哲学の会の参加者はミスワールド2018のファイナリストの皆さんが多かったです。

彼女たちが昨日聴講したお話を哲学的思考で内省し、自分たちの目指す社会貢献にどう活かしていくのか楽しみです。私自身は個人的にタイのアカ族の識字率向上のプロジェクトに支援しておりますがパキスタンでも具体的にどのように支援できるか考えます。ダイバーシティ推進の根っこは教育だと私も確信しています。

 

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