「少数派の力を発揮させる組織戦略」

いつもありがとうございます。
月1回お届けしています「Woomax通信」Vol. 71
臼井あかねです。

今月の「Woomax」通信をお届けいたします。

1.  Woomaxからのお知らせ

「少数派の力を発揮させる組織戦略」

先日、学生時代の後輩の女性から相談を受けました。

彼女は半年ほど前、
社内のプロジェクトリーダーに抜擢されたのですが
思うような成果が出せず
「もともとリーダーを任されるには経験不足だったのに、
実力に見合わないポジションを与えられて辛い。」と
悩んでいたのです。

深く話を聞いてみると、彼女の実力不足というより
背景に「トークニズム」が潜んでおり
彼女が実力を発揮しにくい状況に
なっているのではないかと感じました。

圧倒的男性社会の中で、数少ない女性の中からリーダーが誕生すると、
「トークニズム」が起こり、
女性活躍全体を阻む原因になることもあります。

「トークニズム」の正体とは?

どうしたら、このような状況を打破することができるでしょうか?

「トークニズム」とは、どのような現象でしょうか。

男性が圧倒的多数を占める管理職層の中で
極めて少数派の立場に立った女性は、
否応なく目立つ存在となります。
女性としての「トークン(象徴・代表)」の役割を負い、
男性からも女性からも注目を浴びます。

男性管理職たちは、新しい存在が生まれたことで初めて
それまで表面化しなかった自分たちの「同質性」に気付き、
男性管理職と女性管理職の「違い」を意識するようになります。

すると女性管理職の言動や結果を、個人のものとして見ず
「女性だから」と「ほかの女性もきっと同様だ」と
紐付ける傾向に走ります。
特に失敗に関しては厳しく反応し、
「女性だからそういう失敗をした」「男性ではありえない」と
評価することもあるようです。

女性管理職は、自分が「女性代表」として
扱われることにプレッシャーを感じ、
あえて女性性を消して男性上司と似た形で振る舞ったりしてみせます。
すると今度は女性部下たちが、
この女性上司を「男のような言動をする人」と捉え、
「自分たちとは異なる存在」として一線を画すようになります。

これを見た男性管理職および男性部下は、
女性上司は、か弱い女性部下に冷たい「女性の敵は女性」
という一種の都市伝説を謳っていきます。

こうした「トークニズムのプレッシャー」のために
トークンとなった女性は本来の力量を発揮することができず、
また発揮してみせても「あの人だからできた」と
「例外」としてしか評価されない状況に追い込まれます。

もちろん、すべての男性・女性がこのような行動を取る、
という話ではなく
多数派と少数派ができたときに
お互いの存在に影響を受けて
こうした現象が起きやすい、ということです。

こうした課題を解決するためには、
少数派の構成人数が閾値(しきいち)を超えるように
戦略的に組織構成を図ることが重要です。
具体的には、トークンが属するグループの人数を
全体の30%以上、または絶対数で2人以上にすることが
閾値の目安です。

例えば、
マネジメントのトップに女性を 1 人ではなく一群として据える、
女性が少数の部署には一度に 2 人以上を入れるなど、
女性を決して点々と散在させることなく、束として配置します。

こうすることで、トークンの属性に対する注目が薄まり
トークンは「少数派」としてではなく
「個人」として見られやすくなります。

これは女性活躍だけに限らず今後ダイバーシティを進め、
あらゆる少数派を迎え入れていく組織にとって
重要な戦略の一つです。

採用はもちろん、会社、役職、部署における配置、
会議メンバー、研修グループなど
それぞれの単位に照らして実践してみてください。

2. 公開講座のご案内

◎一般社団法人日本能率協会 主催◎
~管理職のためのダイバーシティ・マネジメント研修~

こんな方にオススメです
・ 女性部下を抱える管理職の方
・ 女性活躍推進、ダイバーシティ推進のご担当者
・「信頼される上司」を目指すリーダー・管理職の方

◆日程:2018年2月13日(水) 9:30~17:00
◆会場:日本能率協会・研修室
└ 〒105-8522 東京都港区芝公園3-1-22
◆参加費:53,000円(税抜き)
◆講師:青柳 未央(あおやぎ みお)
◆持ち物:筆記用具
◆お申込みはこちら
└ https://school.jma.or.jp/products/detail.php?product_id=100125

編集後記

先月のメルマガ配信後、
読者様からスティーブン・ピンカー氏がいう
「知識の呪い」理論を教えていただきました。

簡素に書くと、
「自分が知っていることを他者が知らないかもしれない、と
想像するのは難しい」現象を指すのだそうです。

知見を増やしていただき大変感謝いたします。

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今月も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
皆様どうぞ良いお年をお過ごしくださいませ。

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