2019年Woomax公開セミナー『組織のジレンマを乗り越える』レポート(3)ワールドカフェ

第2部 ワールドカフェ 『ジレンマ(板ばさみ、葛藤、壁)を乗り越える』

ファシリテーター  株式会社Woomax取締役  佐野 愛子

 

第2部はワールドカフェ形式で参加者の皆様に5~6人ずつのグループに分かれていただき、
Woomax佐野愛子のファシリテーションで進行しました。

構成は、前半と後半で以下のテーマを設けました。

前半:どのようなジレンマがありますか?
後半:ジレンマを乗り越えるには?

冒頭、「ジレンマとは?」について、
哲学者・ショーペンハウアーの寓話に出てくる「ヤマアラシのジレンマの話」を例えに説明したのち、
各自の「ジレンマ度合い」を0~10までのメモリでスケーリングしていただき、
グループで、一番「ジレンマ度合いが0に近い数字の方」が”カフェオーナー”となり、
ワールドカフェがスタートしました。

対話テーマ(前半):どのようなジレンマがありますか?

◆自分が抱えているジレンマとは
第一部の治部さんの基調講演でも、参加者の方から
「出世してバリバリ働きたいとかではない。だからといって、
仕事の手を抜いて楽して働きたいというわけでもない。“ふつう”に働きたい。」

というジレンマを持つご意見が出ていました。

第二部に入り、自分の抱えるジレンマに向き合い、抱える”ジレンマのエネルギー度合い”を含め
言語化していただいたので、各テーブルからさまざまなジレンマが出てきました。

対話テーマ(後半):ジレンマを乗り越えるには?

◆ジレンマ解消への転換
数学者・アルバート・タッカーが考案したゲーム理論に、
「一人ひとり、各個人が合理的に選択した結果は、結局、誰にとっても望ましい結果を得られない。」
という、有名な「囚人のジレンマ」があります。

この話から、ジレンマ解消の一歩は

「論理的に考え、お互いに共通するメリットを見出すことから始まるのではないか?」

という仮説のもと、後半は、カフェオーナー以外の参加者が全員グループ移動し、
模造紙に書かれているジレンマに、グループの新しい参加者が客観的に、自由に
(ある意味、無責任に)そのジレンマの乗り越え方に対し、
対話で出てきた意見やアイデアをどんどん書き残していきました。

対話終了後、参加者は元の席、グループに戻り、模造紙に書かれた
自分のジレンマに対し、多角的な視点で書かれたアドバイス、応援メッセージの数々に
さまざまな気づきを得られたようで、セミナー終了後も、グループに残って
対話を続けている方々が印象的でした。

公開講座の魅力の一つである、組織、業種、職種、年代、性別など多様なメンバーとの対話の中から、
日常生活の中では得難い気づきが生まれることを実感するひとときでした。

第2部アンケート(抜粋)

  • 「他の人の課題に対して自由に意見を出し合うのは議論が進んだ。」
  • 「それぞれ違う立場の人たちの意見を聞けて、自分にはない考えを知ることができた。」
  • 「前向きに問題を捉え、責任のない立場から見てみるというのはとても有効だと思った。」
  • 「自分の組織でやってみたい。」
  • 「他業種の女性管理職の話を聞けて良かった。」
  • 「模造紙にたくさん書かれたメッセージに勇気をもらいました。」
  • 「もっと時間が欲しかったです。三日三晩徹夜で・・(笑)」

 

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