リケジョレポート第四弾 村上麻優子さん その1
好評、インタビューシリーズ!
引き続き、私が出会った素敵なドボジョのご紹介です。
鹿島建設株式会社
東京土木支店
村上麻優子(むらかみ まゆこ)さん
■早速ですが、なぜ建設業で仕事をすることに興味を持たれたのでしょうか?
もともと建物などが好きで、地元の横浜でみなとみらいを見て、
いつかはこういうもの・景色を作りたいな、と思っていました。
高校生の時に、進路を悩んでいた際、建築・土木の道に進もうと決断し、大学では土木の道に進みました。
■土木を学んだあと、なぜ鹿島建設に入社したのですか?
大学時代に建設会社のインターンシップに2週間参加し、実際の現場でどうやって工事が行われているか、仕事が回っているのかを垣間見ることができました。
そこで、1つのことを行うのに対して、綿密に計画し、みんなで作りあげるプロセスを間近で見て、「これだ」と思ったのです。
■今現在のお仕事と“やりがい”をお聞かせ下さい。
入社後は研究所に配属されましたが、現場で仕事をしたいという思いがあり、ずっと現場への異動希望を出していました。
念願かなって2011年10月に現場配属となり、道路やトンネルを作る仕事に従事しています。
構造物は完成しましたので、現在の主な仕事は掘削した場所を埋戻し、設置した仮設物を撤去しています。
細部まで気を配りながら、計画を立て調整をしていきます。
特に、やりがいを感じるのは、忙しく厳しい週を乗り越えられた時です。
任される仕事の量や内容など、男女の差を感じることはほとんどありません。
工程内の裁量は任されているので、自分で考えてやりくりしながら協力会社への依頼・調整をし、うまくいった時がとても楽しいです。
また、実際に工事に関わった道路ができたときのよろこびはひとしおで、できあがった後に、その道を通ると「私が作ったの!」とつい自慢してしまいます。
あまり目立たず、理解されない部分の多い仕事ですが、ただ、絶対に人の役に立っているという確信が持てる仕事なのでその部分での“やりがい”は大きいです。
■村上さんが持つリーダーシップ、調整能力はどうやって身に付けたのですか?
実践を重ねていく中で、そういう力が身に付いたのかもしれないです。常に目的をぶらさず、考えを持って仕事をすることが大事だと感じています。
■女性が意見を通すことに、壁を感じるようなことはありませんでしたか?
入社当初は、少し男女差を感じる経験もありましたが、現場に来てからは男女差を感じることは無く、比較的フラットに接してくれる協力会社の方が多いです。うまくやっていく秘訣としては、自分がしっかり意見を持って、真剣に接すること。そうすることで、周りも理解し、協力してくれるようになると思います。
私も最初からできていたわけではありませんが自分が意見を持ってきちんと伝え、ことを進めることが出来れば、男女の差別なく対等に仕事ができると経験を通して感じています。
もちろん言われたままにやることも大事ですが、違うと思ったところは、意見をきちんとぶつける努力が必要です。自分の意見を確立させるために、常に考えることが大事だと思います。
■土木の現場は世の中的には、男性社会というイメージが強いと思いますが、実際はフラットなんでしょうか?これから就職する女性の皆さんが建設業への敷居の高さを払拭するとしたらどんなことが挙げられますか?
鹿島建設に関していえば、もともと社員の人数も多いので、割合は少ないとはいえ、ある程度の人数の女性社員がいるんです。
特に最近は総合職の女性の後輩も増えており、私の所属する支店の中で女子会をやるようになりました。「どの日焼け止めがよい」とか、女性ならではの情報交換もできています。
地方の支店だと女性の人数が少ない場合もありますが、本社で研修などがあるタイミングで集まることも多く、繋がりができるため、安心できると思います。
ただ、男女問わず大変な仕事であることは確かなので、どれだけこの仕事を好きかどうかが鍵になります。でも、この仕事が好きであれば、とても楽しめる仕事であることは間違いないです!
■そんな土木の世界に飛び込んだ村上さんへの周りの方からの反応は?
夜勤明けで会うこともあったため、学生時代の友人たちからは「大変だね~」とは言われたことはあります。・・・が、業種は違っても、割と友人も仕事バリバリに働いている人が多いので、お互い「頑張っているね!」と刺激しあえているという感じです
■現在の仕事で、女性だからこそ活かせた特性はありますか?
現場の仕事で最も大切なのはコミュニケーション。協力会社、工事の施主、常にみんなとコミュニケーションしながら進めていくのが土木現場の特徴であり面白さです。ここは、特に女性ならではのコミュニケーション力が活かせていると思います。それを活かし、人と話をする、聴くことで、まとめていく力を発揮することができていると思います。
また職場に女性がいることで、和やかな環境になる傾向があるし、女性が情報のハブになることができていると思います。
■若手の女性社員がより建設業の仕事に定着するために、職場はどのように変わるとよいと思いますか?
女子会などで後輩からよく聞かれるのは、結婚のタイミング、きっかけなど女性ならではの内容が多いです。こういう話が気軽にできる、相談できる環境があるとより良いと思っています。
■村上さんより先輩の女性はどんな方々がいらっしゃいますか?
土木系で一番上の女性の先輩は50代の第一期総合職の方々です。その後、鹿島建設は女性総合職の採用を一時中断した時期があります。よってその間の世代で現在いる方達は、一般職から総合職へ転向し、設計部門などで活躍をしている方が多いです。
1999年から、女性総合職の新卒採用が再開していきました。土木系で言えば、最初の頃は毎年1名、私の代で2名に増え、その後 徐々に女性の採用数も増えてきています。
■今後も鹿島建設で働き続けていくにあたり、何か障害があるとしたら何だと思いますか?
子育てしながら現場で仕事を続け、キャリアを積みたいと思っているのですが、それを許してもらえる現場かどうかは環境次第というところでしょうか。また周囲の理解を得ること、自分がいかに効率よく時間を使うかも大切だと思っています。きっと、人数の多い現場の方が、負荷を分担できるので、子育てと仕事の両立はしやすいと思います。…が、実績はまだないので、これから様子を見たいと思っているところです。一言で言えば、会社の制度的にはすでに整っているので、あとは運用次第と感じています。
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今回も、働く女性にとって非常に大切なキーワードが沢山のインタビューでした。
とても、仕事が大好きである村上さん。インタビュー時にも、仕事の話をするときの彼女の笑顔は
本当に輝いていました。そんな仕事大好き村上さんのプライベートの話は次回のお楽しみです