リケジョレポート第三弾 龍 尊子さん その1

お待たせしました。
今回からしばらくは、リケジョの中でもドボジョみなさんのご紹介をお届けしていきます。
ドボジョとは、土木業界で働く女性のことです。
大成建設株式会社
土木営業本部 営業部 課長
龍 尊子(りょう たかこ)さん
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ご経歴
1993年 担当職として大成建設に入社。土木本部設計部で橋梁設計に従事
1997年 結婚
2000年 成和コンサルタント(株)出向
2001年 出産
2002年 土木営業本部へ職場復帰。復帰後に、専任職へ登用
2007年 秘書部 社団法人日本土木工業協会の会長秘書業務に従事
2008年 土木営業本部 企画営業・一般営業に従事
その後、総合職への登用任用を経て、課長へ登用、現在に至る。
■まず、建築業界への就職を選んだ理由をお聞かせください。
子どもの頃、父は農業土木に従事していたので、どこかへ何か、出かけるとなると、ダムや用水路や堰をによく連れて行ってくれました。見せてくれていたので、自然と興味を持ち、自分も人々の生活のインフラを整備する仕事で、社会の役に立ちたいと思うようになっていき、将来について考えるときに、どこかのスターや偉人の話を聴いたり、本で読んだりして、「そういう人になりたい」と「ヒト」に憧れを持つより「社会や人の役に立つ」といった「コト」に興味を持っていました。
中学・高校時代に、科学雑誌「Newton」に出ていた「宇宙ホテル」「地下都市」「富士山より高いビル」など夢のあるものに魅かれたことも影響しています。
いつしか「カタチになるものが作りたい」という気持ちを持ち、目の前でモノづくりが見られる建設業界に興味を抱くようになりました。
「理系で手に職をつけるべき」という両親の言葉や、ちょうど進路を決める時期に、首都圏で大規模な開発が行われていたこともあり、建設業界への就職を決めました。
■なぜ、大成建設に入社しようと思ったのですか?
大成建設は、自由な雰囲気のイメージがあったのと、大成建設のキャッチフレーズである「地図に残る仕事」に魅かれたことが大きな理由です。
私も地図に残る仕事をしたい、大きなプロジェクトの端っこでもいいから携わってみたいと思いました。
また、人の育成に対して積極的な方が多いのも大成建設の良さです。
女性社員に対して、せっかく勤めるだから、長く働けると良いよね、と思ってくれる人が多いと感じています。
■現在はどのようなお仕事をされているのですか?
営業で公共工事の入札対応を担当しています。お客様を訪問し、社会資本整備の動向を調査することで情報収集を行い、社内方針を策定して、プロジェクトの推進に向けた営業活動を行っています。
女性だから、という理由で差別されることは一切なく公共工事だからこそ女性でも堂々と仕事ができます。また、これまでの設計部門での経験歴を活かして、営業部にいながらにして技術屋としても生きることができています。
しかし、常に技術の研鑽を欠かさないように努めています。設計の頃はもちろん、育休明けで営業に来てからも、資格取得にチャレンジしてきました。
現在はコンクリート主任技士、コンクリ―ト診断士、技術士(建設部門)の3つの資格を取得しています。
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■建設業、そして大成建設で長くキャリア歩んでいる秘訣は?
土木技術者女性の会の先輩方のおかげです。
土木業界ではロールモデルも限られており、私の場合は社内でロールモデルを見つけることも難しい時代でした。
そんな時に土木技術者女性の会で出会ったIさんに入社1年目からお話を伺う機会があり、それ以降も沢山のアドバイスを頂戴しました。特に「技術士を早く取りなさい」というアドバイスは心に残り、実際に資格を取得するに至りました。
土木技術者女性の会の先輩方から言われていたのは「とにかく仕事を続けなさい」ということ。ライフプランも含め、あまり先のことを今から考えても仕方ないので、とにかく仕事を真摯に続けたからこそ今があります
Iさんのように、本業の仕事以外の社外活動として土木技術者女性の会を積極的に盛り上げてくださった方がいらして心から感謝しています。
コミュニティ活動は大変重要で、先輩方や同じ出産・子育ての悩みを持つ皆さんのお話を聞いて、参考になりました。
現状、まだまだ数が少ない土木業界で働く女性が、後進や人の役に立つための「ネットワーキング」を継続することによって、土木業界にこれから沢山の女性に入ってきてほしいという思いからだと感じています。
私自身は、子育てなどで忙しくて、活動に参加できない時期もありましたが、事務局として復帰することになった際、温かく迎えてもらいました。
今は会の活動として学生など若い人と話をすることも多いのですが、それを通じて改めて自分が建設業に従事する理由を確認することにもつながり、自分にとっても意義のある活動になっています。
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龍さんや他のドボジョの皆様にお話を伺っていると、
建設業界、土木業界には、たしかに女性が少ないけれど
真摯に仕事に向き合っていれば、周りは応援してくれる風土もあるのでは?

と感じております。
土木業界に限らず、女性が組織で、普通に定年まで働くってどんなこと?
をイメージするために、たくさんヒントとなるキーワードをいただきました
次回は「子育てとの両立」について等も
お伝えしていきますのでお楽しみに!